札幌相続相談所|札幌・札幌近郊での「遺産相続」に関するご相談に対応

遺産分割の当事者は誰?


札幌で相続手続のお手伝いを数多くしている当事務所では、遺産分割協議書を作成することがよくあります。相続人が複数名いる場合に、各遺産の帰属先を決める際に作成するのが遺産分割協議書です。

では、この遺産分割に参加するのは誰なのでしょうか。たとえば札幌市中央区のAが死亡した場合に、札幌市豊平区のBと札幌市南区のCで遺産の分け方を決めます。このように、遺産分割の当事者は「法定相続人」です。しかし、遺産分割の場に参加できない者などもいます。

このような遺産分割の場に参加することができない者や判断能力が十分でないと思われる者には何らかの保護が必要と考えられます。たとえば、まだ生まれていない胎児、相続開始時点において行方不明の法定相続人、相続分の譲渡を受けた譲受人などは、どのように取り扱うべきなのでしょうか。

今回は、遺産分割の当事者である法定相続人について、札幌で遺産分割協議書の作成を多く手掛ける当事務所が、特に問題となりうる場面を解説していきます。札幌の方も札幌以外の方も、どうぞ参考にしてください。

未成年者


未成年者には、単独で遺産分割協議に参加する権限が認められていません。したがって、法定代理人が未成年者に代わって遺産分割手続を行うことになります。たとえば札幌在住の相続人Bが未成年者である場合、その法定代理人がBに代わって協議をするのです。

しかし、法定代理人である親権者が、未成年者の利益を不当に害して利得を得るような場合も考えられます。このようなおそれがある場合には、民法826条より、特別代理人を選任し、その者が法定代理人に代わって遺産分割手続を行います。


胎児


民法3条1項は、「私権の享有は、出生に始まる」と定めており、胎児には権利能力がないとされています。また、相続人は被相続人の死亡時には存在していなければならないとする同時存在の原則が取られていることから、まだ生まれていない以上は存在していると評価することはできません。

そこで民法886条は、「胎児は、相続については、すでに生まれたものとみなす」と規定することで、上記の問題点に対応しています。

なお、判例(大判大正6年5月18日民集23輯831頁)は、胎児の間は権利能力がないと考えているとされています。つまり、胎児は生まれることによって遡及的に相続開始時の相続権を取得すると解しているのです。


行方不明者・不在者


相続人の中に行方不明者がいる場合、他の法定相続人は利害関係人として不在者財産管理人を選任し(民法25条)、家庭裁判所の許可(民法28条)を得て、遺産分割に参加させることができます。※不財産財産管理人選任の申し立ては不在者の従前の住所地の家庭裁判所に対して行います。札幌にもともと住んでいた不在者であれば、札幌家庭裁判所が管轄です。

このような遺産分割後に、行方不明者が相続開始前に死亡していたと確認された場合には、遺産分割自体が無効とする考えと、行方不明者の相続人へと有効に代襲相続が行われるとの考えが対立しています。


相続分の譲受人


民法905条により、相続人は自らの相続分を遺産分割前に第三者に譲渡することができます。そして譲受人は、譲渡人の地位を承継し、当事者として遺産分割に参加することになります。

一方、個々の遺産たる財産の相続分に相当する持分の譲渡を受けた第三者は、特定財産を特定承継したに過ぎず、この持分権に基づく請求は相続分に基づくものではなく、単なる共有物の分割請求です。したがって、当事者として遺産分割に参加することはできません。


受遺者


(1)包括受遺者
民法990条は、「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する」と定めていることから、遺産分割の当事者として遺産分割協議に参加することができます。

(2)特定遺贈の受遺者
特定遺贈の場合には、包括的な権利義務の承継が起こらないため、遺産分割の当事者となることはできません。

※たとえば遺言書で「一切を遺贈する」という書き方であれば包括遺贈、「札幌市中央区の土地を遺贈する」という書き方であれば特定遺贈です。


相続債権者・相続人の債権者


遺産分割の当事者でなくとも、利害関係人は遺産分割手続に参加することができます(家事手続法42条参照)。具体的には、相続債権者(たとえば札幌市中央区在住であったAが死亡した場合、そのAの債権者)、特定受遺者、遺産について担保権を有する者などが考えられます。

ただし、利害関係参加は当事者としての地位を付与するものではないことに注意が必要です。


遺言執行者


遺言執行者とは、遺言の内容を実現するという仕事を担っており、その範囲においては遺産の管理権、処分権を有します。そして相続人は、遺言執行者の仕事を妨げるような行為をすることができなくなります(民法1013条)。

そして遺産分割に関しては、遺言執行者が当事者となることは考えられないとされています。この考えには反対説があり、遺言執行者も当事者とすることで、相続人の遺産処分権を遺産分割協議においても制限されると考えます。しかし、あくまでも遺言内容の実現が目的である遺言執行者の権限を、あえて遺産分割協議にまで広げるだけの根拠は乏しいと考えられます。


札幌で遺産分割協議書の作成にお困りの方はお問い合わせください。


札幌・札幌近郊を中心として各種相続手続のお手伝いをしている当事務所では、遺産分割協議書の作成も対応しております。

遺産分割協議書は後々まで残るものであり、その作成の仕方を間違うと相続人が考えた通りの相続にはならないこともあり得ます。このようなことから、遺産分割協議書の作成は、専門家に依頼した方が安全だといえます。札幌で遺産分割協議書の作成にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。※当事務所では、遺産分割協議書の作成のみでは業務のご依頼はいただけません。必ず他の業務とのセットでお申し込みください。

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遺言に反する遺産分割の効力

被相続人は遺言書を作成していたけれど……


札幌で相続手続のご相談を受けていると、「遺言」があることがよくあります。

被相続人が生前に遺言書を作成していた場合、通常、その遺言の内容の通りに相続するのが通常です。

ですが、様々な事情により遺言の内容通りに遺産分割を行うのが適切ではない状況もあるでしょう。札幌で相続・遺言の相談を受けているときにも、そのようなお話を聞くことがあります。

では、遺言の内容に反する遺産分割協議を行った場合の遺産分割協議の効力は、どのようなものになるのでしょうか。有効なのでしょうか、それとも無効なのでしょうか。


過去の判例から考える

「相続させる」旨の遺言が遺されていた場合、それは遺産分割方法の指定であり、特別な手続を経ずに相続財産は相続人に帰属するというのが裁判所の考え方です(最2判平成3年4月19日)。

このことからすると、遺言に反する遺産分割協議は無効になると思えてしまいます。


遺言書の内容に反する遺産分割協議、できなくはない

しかし、裁判所によると、遺言の内容に反する遺産分割協議は可能ではあるとしています。

裁判所の見解では、まず【遺産分割の方法に反する遺産分割協議を許さず・・・これに反する遺産分割協議は無効である】としているので、原則的には遺言の内容に反する遺産分割協議は無効であると考えていると思われます。

しかしながら、上記に続き、裁判所は以下のような見解を示しているのです。

【もっとも・・・本件遺言により取得した分を相続人間で贈与ないし交換的に譲渡する旨の合意を含むものであり、その合意は、・・・民法の規定に抵触しない(以上、東京地判平成13年6月28日)】

※この裁判では、実際には遺言執行者が選任されており、遺言執行者の行為を妨げる遺産分割協議の有効性が問題になりました。


遺言の内容に反する遺産分割協議の注意点

まず、上述したように、【遺産分割の方法に反する遺産分割協議を許さず・・・無効である】としているので、裁判所は、やはり上記最2判平成3年4月19日の考え方を踏襲していると思われます。

その上で、【相続人間で贈与ないし交換的に譲渡する旨の合意を含むもの】と認定しているので、「相続人の間で一度遺言通りに遺産分割を行った上で相続人同士各自が遺産分割により取得した相続財産を贈与もしくは交換を行う旨の合意を行った」と裁判所は考えたのでしょう(この考え方は、遺産分割協議の合意解除の考え方と類似していると考えることができます)。

もっとも、裁判に提出された証拠に「相続財産の贈与もしくは交換を行う旨の合意を行った」といえるものがなければ遺産分割協議は無効になってしまうものと思います。

そのため、遺言の内容通りに遺産分割を行うことが適切でない状況においては、上記合意があったといえるような証拠を残しておくべきであるといえます。


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遺産分割協議の注意点

遺産分割協議が無効にならないために


札幌で相続手続のお手伝いをしていると、多くの場面で「遺産分割協議書」を作成します。

そもそもですが相続人が複数いる場合、相続財産は共同相続人の間で共有状態となります。そしてこの共有状態を解消し、具体的にどの相続財産が誰に帰属するのかを定めるための手続きが、相続財産の「分割」です。

そして「遺産分割協議」とは、遺産の種類や性質、相続人の年齢や経済状況など一切の事情を考慮して、共有状態にある全相続財産のそれぞれの帰属を定めるための協議です。札幌で相続・遺言関連業務を手掛ける当事務所では、この遺産分割協議書を作成して欲しいといったご相談が多々あります。

今回は遺産分割協議の注意点や、協議がまとまった後にすべきことを解説します。


遺産分割協議、注意するべき点

1 協議の成立要件は満たしているか

  • 1、共同相続人全員の参加
    →遺産分割協議を行うにあたっては、共同相続人は全員参加しなければ無効となります。そのため、事前に被相続人の戸籍や除籍、改製原戸籍の謄本をもとに、共同相続人にあたる者全員を把握する必要があります。なお、この場合には行方不明者についても例外ではありませんので、注意が必要です。
  • 2、共同相続人全員の同意
    →協議の結果については、参加者全員の同意が必要です。誰かの納得を得ていないような協議結果については無効となります。
そして上記1と2に共通して、参加しなかった共同相続人や意思を無視された共同相続人が協議結果を追認した場合には、例外的に協議は有効となります。

2 分割協議の対象に漏れはないか

遺産分割協議を行う場合には、後の紛争を防止するためにも、すべての相続財産を分割対象とすべきでしょう。
相続財産の把握に漏れがあった場合には、もう一度遺産分割協議をする必要がでてきます。
これを防ぐためにも、被相続人が所有する不動産や預貯金、有価証券などを網羅的に把握する必要があります。具体的には、登記簿謄本の取り寄せや銀行、証券会社への照会によることとなります。

3 分割協議が調った後は、形式面も要注意

遺産分割協議の結果は、分割協議書にまとめる必要があります。上述の通り、分割漏れがあると再び協議が必要となるため、「上記財産を除くすべての財産は○○に帰属する」といった包括条項を用意するのが望ましいでしょう。

分割協議書は、本文を自筆する必要性はありませんが、署名については自筆しておくべきです。また、印鑑は実印を使用し、相続人全員の印鑑証明書を添付する必要があります。

遺産分割協議書は各相続人が一通ずつ所持し、それぞれ相続財産を権利変動手続きなどに用いることとなります。そのため、印鑑証明書もそれぞれの協議分割書に添付する必要があります。

なお、海外移住者は印鑑証明書が発行されていません。そこで、これに代えて署名と拇印が本人のものであるという署名証明書と、住民票に代わる在留証明書が必要となるため、注意してください。


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遺産分割の進め方~協議、調停、審判~

遺産を分割するための「3段階」


札幌で相続の相談を受けていると、「遺産分割」について聞かれることがよくあります。 相続が開始したら、被相続人の遺産は相続人の共有となります。そして、相続人の間で、どの遺産(相続財産)を、だれが相続するかを決定する手続きを、「遺産分割」というのです。

そして、この遺産分割には3種類(段階)の方法があり、共同相続人の話し合いのみで完結するものから家庭裁判所が介入するものまで様々です。札幌で相続の相談を受けている当事務所の経験によると、ほとんどの場合が共同相続人の話し合いのみで解決する場合ですが、そうでない場合もあるのです。

遺産分割の「3段階」とは、次の通りです。第一段階として「協議(話し合い)」で話をまとめる。それができなければ第二段階として「調停」、調停でもまとまらなければ第三段階として「審判」によって遺産を分割することになります。

今回は、そんな遺産分割の進め方について解説します。札幌以外の方にとっても参考になると思います。


遺産分割協議~第一段階~

この方法は、共同相続人全員が参加する話し合いによって遺産分割を行う、最も原則的な手段だといえます。

手続きとしては、まず相続人を全員把握する必要があります。これは、被相続人の戸籍や除籍、改製原戸籍の謄本を取り寄せて確認することになります。ここで把握漏れが出てしまうと、協議自体が無効となる恐れがあるため慎重に確認しましょう。

そして相続人全員での協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成することになります。この時、参加した相続人全員の実印及び印鑑証明書の添付が必要となります。なお、札幌で預金や不動産などの各種相続手続のお手伝いをしていますが、この遺産分割協議書を作成して手続きを進めることはまったく珍しくなく、むしろ通常のことだといえます。

遺産分割協議についての注意点については、「遺産分割協議の注意点」の記事をご覧ください。


遺産分割調停~第二段階~

遺産分割協議がまとまらなかった場合、次にとり得る手段がこの調停です。ここでは裁判官と二人の調停委員の主宰のもと、相続人間で合意が形成されるよう調整がなされることになります。

調停の場合には、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、遺産分割調停の申し立てをすることになります。申し立てがなされると、裁判所から調停期日が指定されますので、両当事者が期日に裁判所に赴いて調停がなされます。

調停においては、裁判官及び調停委員が当事者からそれぞれ意見を聞き、なるべく両者の意見をくみ取った調停案を作成します。これに両当事者が納得した場合には、遺産分割について合意が成立し、調停調書が作成されます。なお、札幌で相続手続のお手伝いをしていますが、調停に関しては、申立て手続きのお手伝いをすることは可能です。


遺産分割審判~第三段階~

遺産分割調停が不成立だった場合、調停申立て時点で遺産分割審判も一緒に申し立てたとみなされ、審判手続きに移行することになります。

遺産分割審判では、家庭裁判所が証拠調べや当事者からの意見を聞き、一切の事情を考慮して遺産分割方法を判断します。

遺産分割審判においては、当事者から直接意見を聞くことが重視されていますので、両当事者は裁判所に意見陳述の機会を求めることが可能であり、その申し出により裁判所は期日を開く義務があります。

また、当事者からの事情聴取により何らかの事実調査が必要となった場合には、相手方はその期日に立ち会うことが可能です。

そして審判結果に納得できない場合には、即時抗告により争うことも可能となっています。


他のおすすめ記事

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不動産の遺産分割方法

現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4種類


札幌で相続手続を数多くサポートしていますが、不動産の相続手続(相続登記)に関するご相談やご依頼をいくつもいただきます。

不動産は現金や預金のように簡単に分割できるものではありませんので、「分け方」が問題となります。この場合には、一つの不動産につき相続人を一人にしてしまう方法と、複数の相続人間で現金などと同様に分割する方法とが考えられます。

今回は、不動産を分割して相続したい場合の方法について、具体的な事例に基づいて札幌の司法書士が解説していきます。


遺産分割の方法

以下では、次のような場合の相続を想定して解説します。

事例:死亡した札幌のXは、妻Yと子どもABとの4人家族です。Xの遺産は札幌市中央区の甲土地(時価6000万円)と、現金3000万円です。遺言はありません。各相続人の法定相続分は、Yが1/2 ABがそれぞれ1/4ずつです。

この場合に、不動産の分け方は次の4種類が考えられます。


■1、現物分割

現物分割とは、まさに目的たる遺産を相続分に応じて分割する方法です。
事例では、札幌市中央区の甲土地を3つに「分筆(一つの土地を複数の土地に分ける手続)」して各相続人が相続することとなります。
したがって、具体的な相続分は以下の通りです。

  • Y現金1500万円+札幌市中央区の甲土地の1/2(時価3000万円相当)
  • A現金750万円+札幌市中央区の甲土地の1/4(時価1500万円相当)
  • B現金750万円+札幌市中央区の甲土地の1/4(時価1500万円相当)

この方法は分割方法の中でもわかりやすく、原則的な手段といえます。ただし、甲土地上に建物が建っていて土地の分割が事実上不可能な場合などには適さないでしょうし、分筆することは手間やコストが必要です。


■2、代償分割

代償分割では、不動産自体は誰かが単独で相続します。その代わりに、本来他の相続人が得るはずだった利益を、不動産の相続人が代償金として支払うことで、相続人間の不均等さを調整します。
事例において、Yが甲土地を単独相続する場合を考えてみましょう。この場合、具体的な相続分は以下の通りになります。

  • Y現金1500万円+甲土地(時価6000万円)
  • A現金750万円
  • B現金750万円

しかし、このままでは、1の場合と比べてABがそれぞれ1500万円損をすることになります。そこで、札幌市中央区の甲土地を単独で得たYが、個人の財産からABに1500万円ずつ代償金として支払うことで、この不平等さを解消するのです。
したがって、最終的に得られる財産は以下のようになります。

  • Y現金1500万円+甲土地(-代償金3000万円)
  • A現金750万円+代償金1500万円
  • B現金750万円+代償金1500万円

代償分割は、土地の分割を経ずになるべく平等な相続を実現できるというメリットがあります。一方で、代償金を支払うだけの十分な資力を有する相続人がいない場合にはうまく働かない手段でもあります。


■3、換価分割

換価分割は、不動産を売却して現金に換価し、それを相続分に応じて分割してしまう方法です。
事例では甲土地は時価6000万円ですので、これを売却すると相続財産は現金9000万円となります。そのうえでの具体的な相続分は以下のようになります。

  • Y現金4500万円
  • A現金2250万円
  • B現金2250万円

このように相続財産が現金だけになるため、分割が簡単になります。ただし、不動産を利用したかった相続人にとっては望ましい結果ではありません。また、売却時の手数料など余計にお金がかかる手段でもあります。


■4、共有分割

最後に共有分割の説明です。これは不動産を相続分に応じて個別の不動産に分割してしまう1とは異なり、元の不動産を相続分に応じた持分で共有する分割方法です。
事例では、以下のような相続結果になります。

  • Y現金1500万円+甲土地持分1/2
  • A現金750万円+甲土地持分1/4
  • B現金750万円+甲土地持分1/4

この方法によれば、手数料をかけて売却する手間もなく、また相続分に応じて不動産を分割する必要がありません。
しかしながら、共有という特殊な関係になるため、甲土地の売却などが一人ではできなくなります。また、共有関係から抜ける相続人が現れた場合には価格賠償の必要も生じてきます。


最後に

今回みてきたように、不動産の分割方法には、それぞれメリットとデメリットが存在します。したがって、当該不動産を手元に残したいか否か、分割の可否、代償金を支払う資力の有無などを相続人で十分に検討したうえで、どの手段によるべきかを決定する必要があるでしょう。


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※不動産の相続については専門サイト「札幌で相続した不動産の相談は司法書士平成事務所へ」をご覧ください。



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被相続人の預貯金債権は、遺産分割の対象

預貯金の相続の仕方


かつては、預貯金について裁判所は相続分に応じて分割して当然に権利が承継され、相続人は自分の相続分に応じた預貯金額の払い戻しを銀行や郵便局に対し請求できるという立場をとっていました。

しかしながら、現在は預貯金は遺産分割の対象であるという判断へと変わりました。一見すると現金はすぐに分割可能とも思えますが、なぜこのような判断になったのでしょうか。

今回は、なぜ預貯金が遺産分割の対象となったかについて解説します。札幌で相続相談を受けていても、この預貯金の相続の仕方について聞かれることはよくあるため、皆さんの関心事なのでしょう。


かつての最高裁判例

預貯金は金銭債権であり、定額郵便貯金を除き当然分割の対象となり、相続が開始すれば、相続人は各自の相続分に従い払い戻しを請求できるとされていました。

しかし、現実ではトラブルを避けるため、相続人個人が払い戻しを請求しても銀行らはこれに応じず、相続人全員の署名・押印のある払い戻し請求書や戸籍謄本の提出を求める運用がなされていました。

この運用を反映して、たとえ被相続人の自筆証書遺言があったとしても、払い戻しを拒絶した銀行は損害賠償責任を負うこともなかったのです。


最高裁平成28年12月19日大法廷判決を受けて

この判決により、普通預貯金及び定額貯金の両方について相続開始時の当然分割はなく、遺産分割の対象になるという運用が確立されました。

その理由としては、相続人間の実質的公平の観点や、口座に入っている以上は引き落としなどで金額が固定されないため、相続分に応じた分割が当然にはできないという普通預貯金の性質などがあげられました。

この判決が下されたことにより、今後銀行や郵便局は、共同相続人全員の同意がない限り、遺産分割が完了するまでの間は預貯金の払い戻しを拒絶できることが確認されたことになります。


例外的な運用

しかし、被相続人から生活費の援助を受けていた場合など、すぐに現金が必要にも関わらず相続人全員の同意が得られていないために預貯金の払い戻しができないとなると、当該相続人の生活に支障がでます。

そこで、共同相続人間の実質的な公平を確保しつつ、こうした特定の共同相続人の救済をはかるために、仮処分という制度が活用できます。これにより、切迫した危険を防止するために必要な預貯金のみを払い戻させることが可能となります。


定額貯金

定額郵便貯金については、普通預貯金と異なり判例実務ともに遺産分割の対象となるという運用がなされています。

そして平成28年判決により、銀行などの定期預金についても同様の取扱いがなされ、遺産分割の対象となるという運用が確立されました。


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相続した「株式・国債・投信」は、当然に分割されるのか

株式・国債・投信も相続の対象


現金でもない、物でもない債権も、これらと同様に相続の対象となります。

しかしながら、これらを相続する際には相続開始時点において当然に相続分に応じて分割相続されるのでしょうか。それとも、遺産分割協議の対象となるのでしょうか。

この問題は、相続が開始した時点で相続人が自己の相続分の権利を主張して債権者としての権利行使をできるかに影響します。

今回は、株式、国債、投資信託受益権という三つの相続のされ方について解説します。札幌でも株式や国債を遺産として相続される方は多いので、記事にまとめます。


総説

まず、判例はこれらの相続について、遺言による相続の指定を許しています。そしてそのような遺言がない場合においては、当然分割性を否定しています。つまり、遺産分割協議が調わなければ、権利行使ができないとしたのです。

それでは、各債権について裁判所はどのような点に着目して判断を下したのかを以下解説していきます。


株式について

株式が当然分割の対象とならない理由は、その性質にあります。

株主は、会社から経済的な利益を受ける自益権と、会社の経営に参加したり、その経営を監督したりする共益権という二つの権利を有しています。前者の例は剰余金の配当、破産した場合の残余財産の分配を受けるなど、後者の例は株主総会における議決権の行使です。

そして、株式が共有状態にある場合には、その株主らは勝手に好きな株主権を行使することはできません。権利行使者を定めて、会社に通知することが通常です。

このことから分かるように、同じ株式に帰属している株主の権利を複数名に分割して行使させることは想定されていません。

したがって、株式についてはこれらの権利を行使する者を定める必要があり、当然分割の対象とはならないのです。


国債について

国債については、通常の国債、利付国債、割引国債のいずれにも当然分割性はないと考えられています。

その理由には、国債の取り扱いに関する法律の規定があります。

国債の取り扱いについては、「社債、株式等の振替に関する法律」において規定されており、そこでは国債の権利行使については一定額をもって単位が定められています。この規定により、この単位額以下での権利行使は国債に予定されていないといえます。

ところが、もし当然分割を認めてしまえば、この単位以下の金額の国債についてのみ権利を承継する相続人が現れる可能性があり、国債の取り扱いルールになじまない状態となってしまいます。

こうした理由から、単位額以下の権利行使を防ぐために、国債の当然相続性は否定されています。


投資信託受益権

この点については、委託者指図型投資信託と外国投資信託に分けて判断されているので、それぞれの理由付けについて順に確認します。

■(1)委託者指図型投資信託について

この投資信託受益権については、株式と類似の判断がなされています。
つまり、償還金請求権や、収益支払請求権といった受益的な金銭支払請求権と、信託財産についての帳簿書類などの閲覧を請求し、その運用状況を監督するという監督権という二種類の性質の権利が併存しているのです。
したがって、可分給付を目的とする権利でないものが含まれており、やはり権利行使者を特定する必要がある権利といえます。
よって、委託者指図型投資信託受益権には、当然分割性がありません。

■(2)外国投資信託について

外国投資信託受益権については、判例は明確な判断は示していません。ただし、(1)同様に考える余地があるという含みをもたせた判断をしているのです。
このように明言しない理由は、外国投資信託は当該外国の法令により規律されているため、一概に日本の投資信託と同様の二面性のある権利であるとは断定できないためです。
しかしながら、たとえ規律が外国法であるとしても、外国投資信託は日本法により規律する投資信託と類似のものであるといえます。

よって、その性質の類似性から考えれば、(1)同様に当然分割は否定すべきと考える余地が十分に認められるのです。


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寄与分と相続

被相続人への生前の貢献を評価する制度


被相続人の生前、あなたが被相続人の介護を長期間引き受ける、生活費を援助するなどした場合、これらの行動に見合った財産を相続とは別に、相続財産から受け取ることができる場合があります。

これは、自分の財産や労務を提供することにより被相続人の相続財産の減少を防いだと評価される場合に与えられる「寄与分」という制度です。

ここでは、どういった場合に、どれくらいの寄与分が得られるのかを中心に解説します。


そもそも寄与分とは

寄与分とは、被相続人に対して介護や仕事に対する労務の提供、財産の給付などを通じて被相続人の相続財産の維持または増加に特別に貢献した相続人に対し、その貢献に相当する財産を遺産から取得させる制度です。

今の相続財産があるのは当該相続人の寄与によるものとして、何もしていない共同相続人との間で相続財産の取得に差をつけることで公平を図ることを目的としています。したがって、寄与分は法定相続分や被相続人の指定する相続分に関係なく与えられるものです。

ただし相続分を超えて財産を受けとる制度ですので、それ相応の「寄与」が必要となります。寄与分が認められるためには、被相続人の財産の維持・増加に「特別な寄与」とすることが求めらているのです。

民法上、夫婦や親子の間には互いを助け合う義務がありますので、その範囲内と評価できる程度の行為では特別な寄与にはあたりません。原則通りの相続分で相続した場合、明らかに不公平だと思われる程度の行動が必要なのです。


「特別な寄与」の具体例

■「1」被相続人の事業に関する寄与

まず考えられるのは、被相続人が自営業の場合などに、その仕事を無償またはそれに近い形でなされた場合があります。
また、事業に関する借金を返済してあげたり、被相続人の名義で事業に必要な不動産を購入するような場合も、財産の維持または増加に特別の寄与をしたといえます。

■「2」被相続人の介護など

近年特にみられるのは、被相続人の介護を長年一人で行っていたような場合です。このような場合には、介護施設への入所やヘルパーを利用した場合に比べて、被相続人の財産の減少が防止されているといえます。 ただしこの類型で注意すべきなのは、入院時の院内での世話や通院に付き添うといった行為は、夫婦や親子の助け合う義務の範囲内ということです。したがって、通常これだけでは特別な寄与とは評価できません。

■「3」財産上の給付

先ほどは事業についての財産上の給付でしたが、それ以外にも被相続人の私的な借金を返済したり、生活費を援助するために資金を提供する場合には特別な寄与にあたります。

ほかにも、被相続人が所有する不動産の税金を代わりに支払ったり、管理したりする場合にも、相続財産の維持に貢献し、特別な寄与があったと評価できます。


寄与分の算定方法

寄与分は、相続分とは別での計算となるため、各相続人の具体的な相続分を考える前に、あらかじめ相続財産から控除する必要があります。そこで、寄与分の計算が必要な場合の相続の流れは、以下のようになります。

1.相続開始時の相続財産価額から、寄与分額を控除する=みなし相続財産
2.みなし相続財産を基準に、各相続人の相続分を乗じる
3.みなし相続財産から算定された相続分に、自己の寄与分額を加算する

このように、最初に寄与分を除いた財産を相続財産として、そこからの取り分を算定したあとに寄与分額を上乗せすることになります。


寄与分制度の限界

寄与分は、法定・指定相続分に影響を受けないとはいえ、「遺贈」には優先できないというルールがあります。

これは被相続人が相続財産の一部を遺贈する場合、その遺贈分を控除した相続財産の残額を超える寄与分は主張することができないということです。

また、被相続人が遺言において、各相続財産の具体的な相続方法を定めている場合には、もはや寄与分は観念できないのです。


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生命保険金は特別受益に該当する?

生命保険金によって相続人間に不公平が生じる場面


ご家族が亡くなった後、遺産分割をする場合、原則として相続分に応じて遺産分割協議を行います(法定相続分については民法900条参照)。

もっとも、被相続人から生前、生計を維持するための贈与等を受けていた場合、相続分は控除されます。これを特別受益といいます。

参考:第903条第1項 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

この「贈与」は「生計の資本」としてなされる必要があるため、贈与した価額は大きいものである必要があるといえます。

「生命保険請求権の相続性」の記事でも述べたように、被相続人が死亡した場合、生命保険契約を保険会社と結んでいる場合は、保険金請求権が発生します。

保険金は価額として大きいものなので「生計の資本」として十分であると言えます。また、保険金を保険料の対価として考え、受取人にその対価を得させているとして「贈与」にも該当すると思われます。

では、保険金請求権は、特別受益に該当するのでしょうか。札幌でも特別受益についてお悩みの方が多く見受けられることから、裁判所の見解を中心にまとめておきます。


裁判所の見解

これについて裁判所は下記のように述べています。

受取人である共同相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が到底是認できないほど著しいと評価すべき特段の事情が存する場合は903条の類推適用によって特別受益に準じて持戻しの対象となる(最2決平成16年10月29日)


上記裁判所の考え方

「生命保険請求権の相続性」の記事でも述べたように、裁判所は、生命保険金請求権は相続人が取得するものとしています。このことから、生命保険金請求権は遺産分割の対象とならないため、生命保険金請求権は相続財産に含まれず、したがって特別受益に該当しないといえます。

しかし、保険金を受け取れる相続人とそうでない相続人との間に大きな不公平が生じることを防止するために、その場合には903条を類推して持戻しの対象となるとしたと思われます(類推としているのは保険金の受取人の指定は、「贈与」に該当しないからであると考えられます)。

生命保険金請求権を共同相続人のうちの一人に指定している場合、他の共同相続人とのバランスを考えておく必要があるでしょう。


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相続分がない旨の証明書の取扱い

特別受益証明書、相続分不存在証明書


特別受益が相続分を超える場合、その特別受益を得た者は民法903条2項より相続分を有しないことになります。このような状況になった場合、当該相続人について、「相続分がない旨の証明書」(特別受益証明書・相続分不存在証明書)が作成されることがあります。札幌で相続手続の相談を受けている場合も、まれにこの証明書を見ることがあります。

この証明書を、他の共同相続人は相続開始後にどのように利用するのでしょうか。ここでは相続分がない旨の証明書の取扱いについて解説します。


他の共同相続人による利用

相続財産に不動産が含まれている場合、相続開始を原因とする共同相続人名義の相続登記をし、その後に改めて相続分がない相続人を除外するという更正登記をするのが原則のように思えます。

しかし、特別受益証明書証明書がある場合には、これを相続登記の申請時に「相続を証する書面」として提出することにより、相続分を有しない相続人を最初から除外して相続登記をすることが可能となります。

このように、共同相続人が遺産の共同登記をする際に手続を簡便にするために、特別受益証明書を利用することができます。


相続分がない旨の証明書、問題点とその処理

特別受益証明書は、特定の相続人に遺産を集中させることを容易にすることから、その偽造などが問題視されています。

特別受益証明書の内容が虚偽である場合や、本人の真意に基づいていない場合には、当該証明書は無効となります(高松家丸亀支審昭和35年11月30日家月14巻7号68頁、奈良地判昭和55年1月28日判タ420号121頁)。

無効な特別受益証明書は、当該相続人が受益の事実を認めたことを示す書面という意味しか持たなくなります。この場合には、特別受益証明書が権利変動を伴うものではないことから、相続人が相続分を失う効果はありませんので、先にあげたような利用ができないことになります。その結果、共同相続人は、改めて遺産分割を行ったうえで遺産を相続することになります。

こうした処理はやや煩雑であることから、特別受益を受けた本人が特別受益証明書の虚偽の内容を理解しているのであれば有効と扱ってもよいとの考え方もあります。

しかし、後々の紛争を防ぐためにも、家庭裁判所で相続放棄の申述の手続きをとる、遺産分割協議書を作成するといった正当な手段をとるべきでしょう。

特別受益証明書については、裁判例として、不動産の持分や相続分の贈与を認めたもの(京都地判昭和45年10月5日判タ256号155頁、大阪高判昭和53年7月20日判タ371号94頁)、遺産分割協議の成立と認めたもの(仙台家審昭和46年3月17日家月24巻2号124頁)があります。

一方、特別受益証明書の効力を否定した裁判例としては、遺産不動産の換地処分の必要性から作成され、遺産分割協議が成立したことを認めるような事情の下作成されたものではないとして、原審判を取り消し、差し戻したものがあります(名古屋高金沢支決平成9年3月5日家月49巻11号134頁)。

特別受益証明書は、作成は容易ですがその効力が後々問題になることもあるため、やはり家庭裁判所での相続放棄や遺産分割協議によって権利関係を整理するべきでしょう。


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