札幌相続相談所|札幌・札幌近郊での「遺産相続」に関するご相談に対応

相続人が限定承認したら、死因贈与は受け取れない

限定承認と死因贈与の関係


札幌で相続の相談を受けていると、相続の仕方で迷われる方がいらっしゃいます。相続の仕方はすべてを相続する「単純承認」、何も相続しない「相続放棄」だけでなく、「限定承認」もあります。

札幌で相続相談を受けていても、まれに限定承認について聞かれることがあります。

ここでは、「限定承認した場合に受け取れる財産」について解説いたします。特に「限定承認と死因贈与」の関係は重要です。


限定承認と相続債務

限定承認をした相続人は、被相続人の全ての債務をいったん承継し、その債務の返済義務の範囲は、相続財産を限度とするとしています(民法第922条)。

このことにつき、判例では、限定承認をした相続人に、裁判所は債務の全額につき給付判決をすることができますが、この判決には、相続財産の限度で執行すべき旨の留保をつけなければならないとしています(大判昭和7年6月2日民集11巻11号1099頁)。

つまりは、相続財産として計上された財産を限度として、それ以上の債務は返還する必要がない、ということです。たとえば札幌のAが死亡し、その相続人がBだとします。Aの遺産は札幌市中央区の土地(おそらく2000万円くらいの価値)と借金2300万円があるとします。Bが限定承認をするとすると、借金は2300万円承継することになりますが、いざ返済するとなったときに、札幌市中央区の土地の額を限度とする義務を負うに過ぎなくなるのが限定承認です。

では、限定承認をした相続人が、被相続人の生前に、被相続人との間でその死亡によって効力を生ずる贈与(死因贈与)契約をしていた場合、当該死因贈与契約の対象物は、相続財産にあたらないとして、相続債権者に対抗することができるのでしょうか。

その答えとなる判例があります。


限定承認と死因贈与をめぐる判例

(最判平成10年2月13日民集52巻1号38頁)

不動産の死因贈与の受贈者が贈与者の相続人である場合において、限定承認がなされたときは、死因贈与に基づく限定承認者への所有権移転登記が、相続債権者による差押登記より先にされたとしても、被相続人の財産の限度で相続債務を弁済すれば免責される限定承認者が、その不動産の所有権の取得を相続債権者に対抗することができるとすれば、限定承認者と相続債権者との間の公平を欠く結果になるから、信義則に照らして、限定承認者は相続債権者に対して不動産の所有権取得を対抗することができない

長くなりましたが、要は、死因贈与の受遺者の立場と限定承認者としての立場が重なった場合、もし死因贈与契約がなければ、当該財産は相続財産の一部として、相続債権者に分配されるはずであったのだから、限定承認者でもある受遺者にその財産が渡るのは、相続債権者との関係において著しく不平等であるから認められない、というものです。

この判例中の「信義則に反して」という文言は、当該具体的事情のもとで、相互に相手方の信頼を裏切らないよう行動すべきであるという法原則をいいます。

「信義則」は、判断を下すうえで、ほかの具体的な条文で説明することができない場合に、規範を補充するものとして機能しています。いわば、当事者間の公平性を保つための最終手段といえるものなのです。


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限定承認をした後の手続

限定承認をした後、何をすればいいの?


相続財産のうち、プラスの相続財産とマイナスの相続財産、どちらが大きいか分からないときに選択するのが限定承認です。札幌では選択される方はほとんどいないかもしれませんが、限定承認後の手続についてまとめました。


限定承認後の相続財産の管理

限定承認をした相続人は、その者の固有財産におけるのと同一の注意義務をもって相続財産の管理を行います(民法第926条)。

相続人が一人しかいないのなら、その者が債務の弁済等に必要な手続きをしていくことになりますが、相続人が複数いる場合には、家庭裁判所によって、限定承認の申述の受理と同時に、共同相続人のうちの一人を、相続財産管理人として選任する審判が下されます(民法第936条)。


清算手続

限定承認申述が受理された後、すみやかに相続財産の限度内で相続債権者や受遺者に対して債務の弁済をし、清算手続をしなければなりません。

手順としては以下の通りです。



1、請求申出の公告及び催告

限定承認者は、限定承認をした後5日以内(相続財産管理人については、その選任があった後10日以内)に、すべての相続債権者及び受遺者に対し、限定承認をしたこと、及び二か月をくだらない期間で、その請求の申出をすべき旨を官報により広告しなければなりません(民法第927条1項)。

また、知れている相続債権者及び受遺者に対しては、各別にその申出の催告をしなければなりません(民法第927条3項)。

この広告期間が満了する前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができます。というのは、広告期間が満了するまで、誰にどれくらい弁済しなければならないのか確定できないためです。



2、相続財産の換価処分

広告期間満了後、限定承認者又は相続財産管理人は、相続債権者や受遺者に弁済をするために、相続財産の換価処分をします。

換価処分の方法は、原則として競売手続きによります。

このとき、限定承認者は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い相続財産の全部又は一部の価額を弁済して、その競売を止めることができます(民法第932条)。

また、競売によらずに、相続債権者の同意を得たうえで任意売却の方法をとることもできますが、これにより、相続債権者等に損害を生じさせた場合には、損害賠償責任を負うことになる(民法934条)ので注意が必要です。



3、請求の申出をした相続債権者及び受遺者への弁済

相続財産の換価処分が終わると限定承認者又は相続財産管理人は、それぞれの債権額の割合に応じて弁済をします(民法第929条)。

また、広告期間中に請求申出をしなかった相続債権者や受遺者で、限定承認者又は相続財産管理人が覚知していなかった者からの請求があった場合には、残余財産から弁済をします。

そして、最終的に残った相続財産があれば、相続人に帰属することになります。


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限定承認とは~デメリットもある~

限定承認の選択は要注意


相続が発生し、民法第915条に規定されている3ヵ月の熟慮期間中であれば、相続人は、相続放棄をするか、限定承認をするかの意思の決定をすることができます。

札幌で相続の相談を受けていると、「限定承認」に関しても聞かれることがあります。はじめのうちは「相続放棄」を検討していた方が、限定承認についても検討し始めることがあるのです。

ここでは、限定承認について解説していきます。まず、限定承認とはどういった制度なのでしょうか。


限定承認についてもっと詳しく

民法によると、次のように規定されています。

参考:民法第922条
相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

つまり、限定承認をすると、たとえ被相続人の有していた債務が、財産よりも多かった場合でも、その財産を限度として債務を返済すればよく、相続人の個人財産から持ち出す必要はないということになります。

注意しなければいけないのは、あくまでも「債務は相続するが弁済の責任が限定される」ということです。債務は相続するけれども、相続人固有の財産では弁済する必要はない、という意味です。たとえば札幌市のAが死亡し、相続人がBだとします。Aの遺産は、札幌市北区の不動産(おおよそ3000万円くらいの価値)と借金3300万円がありました。Bが限定承認をすると、Bは3300万円の借金は背負うものの、札幌市北区の不動産の額までの返済義務しか背負わなくてすみます。B自身の資産では返済する必要はないのです。


限定承認が用いられる場面

限定承認が選択される場面としては、熟慮期間中に資産や債務を調査しきれなかった場合に、熟慮期間の延長を申し出て、それでもなお判明しない場合に限定承認をする、ということが考えられます。札幌で相続の相談を受けている中で、この「熟慮期間の伸長の申立て」が必要だと思われる事例はいくつもあります。

熟慮期間を延ばして遺産調査を行い、債務が財産よりも多いと分かっていれば単純承認をすればいいですし、財産のほうが少いと分かっていれば相続放棄をすればよいためです(現に札幌市に事務所を構える当事務所には、熟慮期間の伸長申立てと相続放棄のご依頼がセットでなされることが多数ございます)。

このように、被相続人の過大な債務の返済義務から相続人を保護するための制度である限定承認ですが、デメリットもあります。


限定承認のデメリット~その1、方法の問題~

まずは限定承認を選択する際の方法です。

限定承認は、相続人が数人いるときは、相続人全員が共同してしなければならず(民法第923条)、共同相続人のうち一人でも単純承認をすれば、他の相続人は限定承認できなくなってしまいます。たとえば札幌のAが死亡した場合に、相続人がBのみならずCもいるとしましょう。この場合、BとCの両名で限定承認をしなければいけないのです。

一方、相続放棄をした場合は、その者は初めから相続人でなかったとみなされるため(民法第939条)、その他の相続人全員で限定承認することが可能です。


限定承認のデメリット~その2、みなし譲渡税の問題~

次に、限定承認をすると、みなし譲渡所得税が発生して、納税の必要性が出てくることです。

限定承認をした場合、相続が開始した時点で、被相続人が相続人に対してすべての資産を譲渡したこととみなされ、被相続人に対して譲渡所得税が課されます。

この譲渡所得税は被相続人の債務となり、確定申告などの手続きを経て、最終的に被相続人の財産から差し引かれることとなり、限定承認のメリットを薄れさせる要因です。


限定承認のデメリット~その3、手続後も大変~

また、限定承認後の手続きが煩雑であることが挙げられます。

民法第927条により、限定承認者は、すべての相続債権者及び受遺者に対して、限定承認をしたことと、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨の公告と、知れている者に対しては直接催告をしなくてはなりません。

また、相続財産を競売換価し、その中からそれぞれの割合に応じて弁済していかなければならないので、限定承認者にとって、かなりの負担となります。

以上のように、限定承認にはメリットとデメリットが混在するため、実際に限定承認を利用するケースは単純承認や相続放棄に比べて多くはないのが実情なのです。


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相続放棄は「詐害行為取消権」の対象になるのか?

相続放棄しても、債権者に取り消されるの?


札幌・札幌近郊を中心として相続放棄のお手伝いを数多くしていますが、相続放棄に関する相談を受けているときに、ご相談者から、このように聞かれることがありました。

「相続放棄しても、債権者に取り消されるのではないでしょうか?」

相続放棄をする場面のほとんどは遺産の内容が「債務」ばかりであり、相続人がその債務から解放されることを目的として相続放棄がなされます。たとえば札幌のAが地元札幌の金融機関に多額の負債を抱えたまま死亡し、その相続人Bが相続放棄をするような場面が、相続放棄がなされる典型例です。

しかし債権者(地元札幌の金融機関)にとってはこれは許しがたい行為であり、民法第424条の「詐害行為取消権」を行使できるのではないか、が問題となるのです。詐害行為取消権とはそもそもどのような権利なのか、相続放棄はその対象になるのか、ここで解説しましょう。


相続放棄と詐害行為

無資力状態にある相続人が相続放棄をし、その相続人に債権者がいた場合には、債権者がその相続放棄を詐害行為にあたるとして、取消を求めてくることがあります。

前提として、詐害行為取消権は、どのようなときに取得できるのでしょうか。

まずはそちらの条文をみてみましょう。

参考:民法第424条
  • 1.債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
  • 2.前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。



詐害行為取消をもっと詳しく

第一項により、詐害行為取消権の適用場面は、債務者の一般財産を積極的に減少させる法律行為があったときだと理解されています。

この点、相続放棄は、消極的に相続人の財産を増加させることを妨げているだけで、積極的に減少させているわけではありません。相続放棄の効果は「はじめから相続人ではなかったとみなされる」ものであるためです。前述の札幌のAのケースであれば、相続人Bが相続放棄をしたら、Bは「法律上は初めから存在しない」と扱われるのです。

また、第二項の観点から、相続放棄が詐害行為取消の対象になるかについてですが、相続自体は財産権を目的とする行為であることにほかならず、一見、詐害行為取消権を行使することができそうに思えます。

しかしながら判例で、相続放棄は身分行為であり、詐害行為取消権行使の対象とはならないとしています。札幌のAのケースもそうでしたが、相続人Bの立場からしてみれば、相続を強制されるようなことはその人生の破綻にもつながりかねないため、相続放棄の効果がそのまま認められる方向が望ましいと考えられているのです。

相続の放棄のような身分行為については、民法第424条の詐害行為取消権行使の対象とならないと解するのが相当である。

~中略~

相続の放棄のような身分行為については、他人 の意思によつてこれを強制すべきでないと解するところ、もし相続の放棄を詐害行為として取り消しうるものとすれば、相続人に対し相続の承認を強制することと同じ結果となり、その不当であることは明らかである(最判昭和49年9月20日民集28巻6号1202頁)。


もし、相続人が、自身の債権者から詐害行為取消権を行使されることを恐れて相続放棄ができないとなれば、身分行為である相続に他者が介入できるということになってしまい、相続放棄の趣旨にそぐわないことになります。


相続放棄と扱いが異なる遺産分割協議

以上、相続放棄についての詐害行為取消ができるか否かについてみてきましたが、共同相続人間で成立した遺産分割協議においては、結論が異なります。

判例では、遺産分割協議において、法定相続分とは異なった割合で相続財産を分配することは、その性質上、財産権を目的とする法律行為であるということができるので、詐害行為取消権の対象となり得るとしています。

共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の 対象となり得るものと解するのが相当である。けだし、遺産分割協議は、相続の開 始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を、各 相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産 の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする法律行為である ということができるからである(最判平成11年6月11日民集53巻5号898頁)。



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再転相続人がする相続放棄の仕方

相続が連続したら「相続放棄」に要注意


札幌・札幌近郊を中心として相続放棄のご相談・ご依頼を多数いただいております。このようなことから、相続放棄の手続について難しいことを聞かれることもございます。

たとえば札幌のAが死亡し、Aの子である相続人Bが、相続放棄の熟慮期間中に死亡してしまった場合に、Bの子Cが相続人になる場合があります。Cから見て、札幌のAは祖父にあたるわけで、「祖父→父」の順番で連続に死亡したということです。

このとき、CはBの相続に関して相続し、Aの相続に関しては相続放棄することはできるのでしょうか。あるいはCはBの相続に関して相続放棄し、Aの相続に関しては相続することはできるのでしょうか

これは「再転相続人の相続放棄」の問題ですが、相続放棄案件が少なくない札幌市でも、このような問題についてのご質問を受けることがあります。


再転相続人とは

そもそも再転相続とは、被相続人(A)が死亡した後、その相続人(B)がその熟慮期間内に放棄も承認もしないまま死亡してしまったため、その相続人の相続人(再転相続人C)が、自分自身の相続権と、相続人(B)の承認又は放棄をする権利を引き継ぐことをいいます。

上記でも説明しましたが、具体例でいうと、祖父が死亡し、父が祖父の相続の手続きをしている最中(つまり熟慮期間中)に、その父も亡くなってしまったというものです。


再転相続人は都合よく相続することはできない?

再転相続人は、どちらの相続権も自らに都合よく自由に処分できるかというと、そうではありません。

再転相続した権利は、本来は相続人(B)の権利であったものなので、もし再転相続人(C)が、相続人(B)の相続を放棄したなら、再転相続人(C)は初めから相続人の相続人ではなく、再転相続することになる権利も受け継ぐことはないのです。


再転相続人の相続の仕方~パターン別~

再転相続人による、相続権の処分方法の組み合わせとして、以下4つのパターンがあります。

  • 1、自分自身の相続権を承認、再転相続権を承認
    → 父の相続も祖父の相続も受け入れる
  • 2、自分自身の相続権を放棄、再転相続権を承認<不可>
    → 父の相続は放棄し、祖父の相続を受け入れる
  • 3、自分自身の相続権を承認、再転相続権を放棄
    → 父の相続を受け入れ、祖父の相続放棄をする
  • 4、自分自身の相続権を放棄、再転相続権を放棄
    → 父の相続を放棄し、祖父の相続も放棄する

先に述べたように、2番のケースは、自分自身の相続権を放棄した時点で、再転相続をする権利はなくなるので、このケースを選択することはできません。

4番のケースでは、自分自身の相続を放棄する手続きをすれば、被相続人の相続も放棄したこととなるため、再転相続権について特別な意思表示はする必要はありません。札幌で相続放棄のお手伝いをしたい際にも、この4のケースにあるように、父の相続を放棄し、結果として祖父の相続も放棄したケースがありました。

1番と3番ケースでは、それぞれの相続権について意思表示をする必要があります。


再転相続と代襲相続の違い

再転相続と似た場面における制度で、「代襲相続」があります。

再転相続と代襲相続の違いは、「死亡した順番」です。

代襲相続とは、相続人となるべき者が、被相続人よりも先に死亡または欠格に該当、もしくは廃除され、その後被相続人の相続が発生した場合に相続人の子が相続すること(代襲相続)をいいます。

これに対して再転相続は、簡単にいうと「上から順番に死亡していく」のです。

再転相続と代襲相続とでは、代襲相続では相続の個数は一つ、再転相続では二つであるという点で大きく異なりますので注意してください。


再転相続の熟慮期間

再転相続についての熟慮期間は以下の条文に記載されています。

民法第916条
相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。

条文中の前条第一項の期間とは、熟慮期間のことをいいます。 なお、相続放棄の熟慮期間については以下の記事を参考にしてください。

相続放棄の熟慮期間の起算点~基本~


ところで、この「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」という文言の解釈がたびたび問題となりましたが、令和元年8月9日に、最高裁より見解が示されました。詳しくは「再転相続における相続放棄の熟慮期間の起算点~最判令元.8.9~」をご覧ください。

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未成年者の相続放棄の仕方

未成年の子の相続放棄に要注意


札幌で相続の相談を受けていると、「相続放棄」の相談がよくあります。そのほとんどのケースでは、相続人は成人なのですが、まれに相続人のなかに未成年者がいることがあります。たとえば札幌の甲が死亡し、その相続人は乙(17歳)というような場面です。未成年者は単独で有効な法律行為ができない者であるため、どのように相続放棄の手続を進めればよいのでしょうか。

ここでは、未成年者がする相続放棄の注意点をまとめます。


親権者が代わりに行う

未成年者は自ら単独で相続放棄をすることはできません。相続放棄の効果は「はじめから相続人ではなかったことになる」ことであり、それには高度な判断力が要求されるためためです。

したがって、未成年者を相続放棄させる場合は、「法定代理人」が代わりに行います。未成年者の代理人とは、親権者のことです。


親権者がその子を相続放棄させたら利益相反行為になる?

親権者が未成年の者を相続放棄させる場合に、未成年者とその法定相続人との利益相反行為が問題となります。

ここでいう利益相反行為とは、未成年者が相続放棄をすることによって、親である法定代理人の利益となり、一方で、子である未成年者に不利益となる行為をいいます。

未成年者が相続放棄することで、その反射的な効果として配偶者相続人たる親の相続分が増えるような場面です。たとえば前述の札幌の甲には、子供である乙(17歳)と配偶者である丙がいた場合に、甲が死亡したら乙と丙が相続人となります。そして乙が相続放棄をすると、丙の相続分が増えてしまい、「乙の不利益のもとに丙が得をする」という状況になるのです。

また、相続人である未成年の子が複数いる場合にも利益相反が問題となります。特定の未成年者に相続放棄をさせると、他の子の相続分が増える場面があるのです。たとえば札幌の甲の子供が乙(17歳)と丁(15歳)の二人であった場合に乙だけ相続放棄させると、丁の相続分が増え、丁が得をしてしまいます。


利益相反に該当するかどうかの判断基準

ここで注意したいのは、利益相反にあたるか否かは「形式的に」判断されるということです。

これは、遺産分割協議においても同じことが言えます。

例えば、相続人である未成年者の法定代理人が、自らは相続放棄をしないまま、子の相続分を自分より多く設定する、ということも利益相反行為になるのです。


特別代理人選任手続

上記の例のように未成年者を含めて遺産分割協議をする場合にも、未成年者が相続放棄をする場合にも、原則としてその者のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求し(民法第826条)、そこで選任された特別代理人が、その未成年者を代理してこれらの行為をすることになります。札幌で相続の相談を受けているときに、この特別代理人の選任が必要であると思われるケースはまれにあります。

特別代理人の選任の申立て手続は家庭裁判所(札幌の場合は札幌家裁)で行いますが、申立書の作成を当事務所にお任せいただくことも可能です。

注意して欲しいのは、相続人である未成年の子が複数いる場合には、それぞれの子に対して特別代理人を選任しなければいけない点です。これは、全部の子をまとめて一人の特別代理人に任せることはできないということです。

一方で、未成年者の法定代理人自身が事前、もしくは同時に相続放棄をした上で、未成年者の相続放棄をしたり、遺産分割協議をすることは利益相反行為にはあたりません

未成年者の子を相続放棄させたところで、自分の相続分が増えるわけではないためです。

このような場合には、法定代理人がその未成年の子を代理することができるのですが、そうでなければ、やはり特別代理人を選任する必要があります。


親権者が代理して行った利益相反行為の効果

では、特別代理人を選任せずに行った法定代理人による利益相反行為は、当然に無効となるのでしょうか。

判例では、その行為は絶対的に無効ではなく、無権代理行為となり、その未成年の子が成年に達したときに、本人の追認によって、成立のときに遡って有効な法律行為とすることができます


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二重の相続資格と相続放棄

相続放棄の仕方に注意


札幌・札幌近郊を中心として、相続放棄手続きのお手伝いをしています。札幌圏ではトップクラスの実績であると自負しています。札幌・札幌近郊で相続放棄をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

相続が発生すると、法定相続分に従って被相続人の全ての財産が承継されることが原則です。これを「包括承継」といい、被相続人が有していた権利、義務すべてが相続人に承継されていくのです。

そのなかで、相続人が複数の相続人たる資格を有することになる場合があります。

それらは養子縁組に起因するものです。


二重の相続資格、各ケース

以下、具体的なケースを見ていきましょう。

  • ケース1:相続人が、被相続人の孫であり、かつ、被相続人の養子として養子縁組をしている場合に、被相続人の実子、つまりは相続人の親が、被相続人の相続発生前に死亡しているケースです。この時、相続人は、被相続人の養子としての資格と、被相続人の子の代襲相続者としての資格をあわせ持ちます。
  • ケース2:相続人が、被相続人と婚姻関係にあり、なおかつ、被相続人の親と養子縁組をしていて、被相続人と兄弟姉妹の関係にあり、また、被相続人との間に子がいないケースです。この時、相続人は、被相続人の配偶者としての資格と、兄弟姉妹としての資格をあわせ持ちます。

  • 戸籍先例によると、ケース1については、養子と代襲相続人の両方の相続分を併せて相続しますが(昭和26年9月18日民甲1881)、ケース2では、配偶者としての相続分のみしか取得しないとしています(昭和23年8月9日民甲2371)。

  • ケース3:相続人が被相続人の弟又は妹であり、被相続人の養子となっていた場合、被相続人に他の子や両親が相続発生時に存在しないケースです。この時、当該相続人は、まず被相続人の養子としての資格を有しますが、その資格を放棄したとき、今度は兄弟姉妹としての資格を有することになります。



二重の相続資格の相続放棄

以上、三つのケースをみてきましたが、それぞれ、どちらかの相続資格の一方のみを放棄することはできるのでしょうか。

ケース3においては、養子として相続放棄をしたあとでないと、兄弟姉妹としての相続人の資格を有することはないので、その後、兄弟姉妹として相続の承認をすることは可能ですが、その意思表示が無いのなら、先順位者としての相続放棄とともに、後順位者としても相続放棄をしたと解します(昭和32年1月10日民甲61)。

ケース1とケース2の場合には、相続放棄をするときの家庭裁判所の実務と深いかかわりがあります。

ケース1やケース2に該当し、二重の相続資格のうちのどちらか一方を相続放棄したいとなった場合、家庭裁判所に提出する相続放棄申述書に、特定の相続人の資格についての放棄を明記して申述することにより、その資格だけを放棄し、もう一方の相続人としての資格は放棄しない旨が確認できる場合には、どちらか一方の資格で相続できるとしているのです(平成27年9月2日民二363)。


札幌で相続放棄のお手伝いをするなかで、二重の相続資格を有する方の相続放棄手続きもご依頼いただき、無事に完了させたことがあります。二重の相続資格を有する方で、相続放棄にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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相続放棄したら遺骨は受け取れない? ~遺骨の相続性~

遺骨は相続の対象?


札幌・札幌近郊を中心として相続放棄の手続きを数多くサポートしております。札幌で相続放棄の手続きにお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

被相続人が死亡し、火葬された場合、遺骨が残ります。遺骨は通常、被相続人の家族によってその家系の墓地に埋葬されると思われます。

では、遺骨をめぐって争いが生じた場合、被相続人の遺骨は誰が保有すべきなのでしょうか。遺骨はそもそも相続財産として、「相続」の対象となるのでしょうか。遺骨の相続性について解説しましょう。

※札幌で相続放棄のご相談を多く受けていますが、「相続放棄をしたら遺骨は受け取れないのですか?」と聞かれることがあります。遺骨が相続財産であれば、相続放棄をしたら遺骨は受け取ることはできませんが、相続財産でなければ、受け取ることができることになります。


遺骨は相続の対象となるか

相続が発生すると、民法898条により相続人は相続開始の時から被相続人が有する財産の権利義務の一切を承継します。

では、遺骨はどうでしょう。遺骨は被相続人の死後に生じるものなので(ここでは便宜上「もの」と表記します)、被相続人が生前から所有していたものではありません

このことから、遺骨は被相続人が所有していたものとはいえず、相続の対象となる所有権に、遺骨は含まれないといえます。したがって、遺骨は相続の対象とはならないと考えられるでしょう(あくまでそのように「考えることができる」という話です)。


では、被相続人の遺骨は誰が保有するべきか。

これにつき、被相続人の祭祀の主宰者(死者を祀るための墓地、仏具、位牌等の所有者)が遺骨を保有すべきという考え方と、喪主(被相続人と縁が深い者)が保有すべきという考え方がありえます。

祭祀の主宰者であれば、被相続人の家系を継ぐ相続人、喪主であれば相続人であるか否かにかかわらず、被相続人と特別な縁を有していた者が遺骨を保有することになります。


裁判所の見解~慣習に従って祭祀を主催すべき者に帰属する~

これについて裁判所は、以下のような判断を示しています。

本件遺骨は慣習に従って祭祀を主催すべき者・・・に帰属したものと解される(最3判平成元年7月18日家月41巻10号128頁)

この裁判の事実概要は下記の通りです。

Xはある夫婦と養子縁組をしたが、職場の勤務地との関係でXの妻とともに養親とは別居し、養親は何ら血縁関係のないYが養親と同居し、身辺の世話等をしていた。養親の死亡後、Yは養親の遺骨を保有・保管をしていたが、養親の家系の墓を建て直したXがYに対して養親の遺骨の引渡し請求を行った。

というものです。

養親の家系は養子であるXが継ぐのが通常であると考えられるため、養親の祭祀を主宰すべき者はXにあたります。このことから、慣習上養親の遺骨はXに帰属するものと裁判所は判断したものと思われます。

※この帰属とは、埋葬を行うのために誰が遺骨を保有すべきかという意味であると考えられます。


このような事例でYに相当する者に遺骨が帰属することはあるか

上記のように、裁判所は「慣習」に重きを置いて判断を行っているようです。そうであるとすれば、地域や家系よって、血縁上あるいは法律上の親子関係よりも被相続人と縁が深い者が遺骨を保有しているという慣習がある場合、結論が変わってくると思われます。

このように、上記の裁判は慣習という地域や家計の特殊性が強いものであると考えられます。そうであるとすれば、上記裁判所の判断は、事案における判断であり、一般化はできないと考えられます。


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事実上の相続放棄

「相続放棄」は様々あるが……


札幌・札幌近郊を中心として相続放棄の手続きサポートをしていますが、「相続放棄の仕方」について、相談時に聞かれることがあります。

相続人は、相続開始後、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に対する申述することで、相続の放棄をすることができます(札幌で亡くなった方の相続放棄は、札幌家庭裁判所が管轄です)。

相続の放棄が認められると、相続放棄した者は、その相続に関して、初めから相続人とならなかったものとみなされるので(民法第939条)、相続財産について一切承継しないことになります。

一方で、上記の法律上の手続きによる相続放棄は行わなかったものの、実際には相続財産を取得しないという「事実上の相続放棄」も行われています。札幌で相続放棄の相談を受けているときにもよく聞かれることであるため、ここで記事としてまとめておきます。

具体的には、次のような方法によって行われています。

  • 相続開始後、自己の相続分を他の相続人に譲渡する場合
  • いわゆる特別受益(民法第903条)による相続分皆無証明書を作成する場合
  • 遺産分割協議の際に、相続財産の取得を希望しない相続人の相続分をゼロとして遺産分割を成立させる場合

ここで、各方法について詳しく解説します。札幌の方も札幌以外の方も、どうぞ参考になさってください。


相続開始後、自己の相続分を他の相続人に譲渡する場合

共同相続人間で相続分を譲渡することは、民法上、明文の規定はありませんが、当然にできると解されています。たとえば札幌のAが死亡し、その相続人が子供であるBCDの三名であったとします。このBが自らの相続分3分の1を、Cに譲渡することがあるのです。

共同相続人間の相続分の譲渡は、裁判所の見解によると、実質的に相続分の割合の変更になります(最判平成13年7月10日民集55巻5号955頁)。

つまり、自己の相続分を譲り渡した相続人は、相続財産を取得することなく、その分、譲受人である相続人の相続分が増加することになるのです。


いわゆる特別受益(民法第903条)による相続分皆無証明書を作成する場合

特別受益というのは、相続人がすでに被相続人から特別の利益を受けている場合に、具体的な相続における取り分を、その利益を受けた分減らすという仕組みです。

ここにいう特別の利益というのは、民法第903条1項によると、「遺贈」、または、「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として〔受けた〕贈与」に限られます。

相続分皆無証明書というのは、「相続人〇〇は、被相続人からすでに十分な生前贈与を受けており、今回の相続に際しては相続分はありません」といった趣旨のことを記載した書面のことです。たとえば札幌のAの相続人BCDのうち、Bが被相続人Aからその生前に生計の資本として多額の資産を贈与されていた場合に、Bが相続分皆無証明書というものを作成することがあるのです。

現状では、相続分皆無証明書を作成し、これを添付して他の相続人への単独相続登記の手続申請をするという方法が、登記実務において広く利用されています(徳島家審昭和53年8月16日家月31巻6号44頁参照)。


遺産分割協議の際に、相続財産の取得を希望しない相続人の相続分をゼロとして遺産分割を成立させる場合

たとえば札幌のAの相続人BCDが、遺産分割協議を行い、そのなかでBが「自分はゼロでいい、何もいらない」というのがこの場合に該当します。しかし、これにより法律上の相続放棄の効力が生ずるものではありません。

「事実上の相続放棄」の注意点

もっとも、これらの方法による事実上の相続放棄は、法律上の相続放棄と異なり、相続関係からの完全な離脱が認められるとは限りませんので、相続債務が存在する場合は、債権者との関係では債務の履行を追及されるおそれがあります。
札幌で相続の相談を受けているときも、この「事実上の相続放棄」をしてすべてが終わったものと理解している方がいるのですが、そんなことはありません。家庭裁判所で、手続きをしなければいけないのです。



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相続放棄と相続分の放棄は違う

「放棄」と一言でいっても……


札幌・札幌近郊を中心として相続放棄手続をサポートしています。この相続放棄について、「相続分の放棄」と混同されている方がいらっしゅるように見受けられます。

生前に財産を譲り受けていたなどの理由により、自分は相続人から外れたい場合があるでしょう。

こうした場合には、たしかに「放棄」をすることにより自分が遺産を相続しないようにすることが可能です。札幌でも、「相続の放棄」をしたいという方はたくさんいらっしゃいます。

今回は、財産の相続を希望しない場合にとりうる手段である「放棄」について解説します。


相続分の放棄と相続の放棄

財産を相続しないための放棄には、二種類あります。相続の放棄と、相続分の放棄です。両者は言葉が似ていますが、手続きや他の相続人に与える影響が異なりますので、注意が必要です。

以下ではこの二つについて順に説明します。そして具体的に相続分にどのような影響がでるのかを、次の具体例を使って確認していきましょう。

例:札幌のAが死亡し、相続人は配偶者Bと子供CDEの四名いる。

配偶者Bは1/2、子どもCDEは1/2を頭数で割ることになるので、今回は母親→1/2 子ども→1/2×1/3=1/6ずつ相続できます。



相続の放棄

相続の放棄とは、自身が相続する権利を拒否することです。そして相続の放棄をすることで、初めから相続人の地位を得なかったこととなります。

相続の放棄には、家庭裁判所での手続きが必要となります。これは相続が開始したと知った時から3ヶ月以内に行うという期間制限があるので、注意が必要です。なお、3ヵ月の期間のカウントについては「相続放棄の熟慮期間の起算点~基本~」を参考にしてください。

では、前述の札幌のAをめぐる相続に関して、子どもの一人が相続の放棄をした場合、どうなるのでしょうか。

まず相続を放棄したため、初めから相続人は配偶者Bと子ども二人の計3人であったとみなされます。そしてこの三人において母親が1/2、子どもは残りを頭数で割ることとなるので母親→1/2 子ども→1/2×1/2=1/4ずつ の遺産を相続することとなります。

したがって、一人の相続の放棄によって、同じ優先順位の相続人の相続分が増加することになるのです。


相続分の放棄

一方で、相続分の放棄は、自己の法定相続分を受け取ることを拒否することです。この放棄された分の相続財産は、残りの相続人により再分配されることになります。

相続分の放棄には、法律で決まった形式の手続きはありません。したがって、相続の放棄が期間制限によりできなかった場合には、相続分の放棄をするしかありません。

この相続分の放棄という手段は、他の配偶者に遺産の不動産を取得させるためにとられることが多く、「相続分のないことの証明書」を作成することになります。札幌で相続業務を行う際に、不動産の相続手続(相続登記)などでこの「相続分のないことの証明書」を作成することが稀にあります。

この証明書により、遺産分割協議や相続の放棄をせずとも、一人の相続人に遺産である不動産の登記が移転されることになります。

では、例において子供の一人が相続分の放棄をした場合を考えてみましょう

相続人の一人が自己の相続分を放棄した場合、その相続分は他の相続人の相続分率に応じて分配されるというのが実務の運用です。

前述の札幌のAを被相続人とする相続については、相続分は母親1/2、子ども1/6ずつですので、放棄者を除く相続分の比率は母親:子ども=3:1:1 となります。相続分率は、母親=3/(3+1+1)=3/5 子ども=1/(3+1+1)=1/5ずつです。

そして、放棄者である子どもの相続分1/6を三人で再配分すると母親=1/6×3/5=1/10 子ども=1/6×1/5=1/30ずつ となります。

そこにもともとの相続分を足し、最終的な相続分を求めると母親=1/10+1/2=3/5 子ども=1/30+1/6=1/5ずつとなります。

このように相続の放棄の場合とは相続分の増える分が異なるのです。


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