札幌相続相談所|札幌・札幌近郊での「遺産相続」に関するご相談に対応

配偶者居住権の登記の仕方(令和2年3月30日法務省民二324号)


札幌で相続のご相談・ご依頼を数多く受けています。札幌・札幌近郊で相続手続のお手伝いが必要な方は札幌相続相談所までお気軽にお問い合わせください。

さて、札幌で相続のご相談に対応しているときに、平成30年の相続法改正について聞かれることが稀にあります。その改正内容の目玉はなんといっても「配偶者居住権」です。配偶者相続人を保護するために新たに創設された制度であり、この権利は登記することも可能です。ここで配偶者居住権の登記の仕方をまとめます。令和2年3月30日に法務省から出された通達の内容です。札幌の方も札幌以外の方もどうぞ参考になさってください。


登記の申請構造について<原則>


配偶者居住権の登記は、いわゆる共同申請によって行います。建物の所有者が登記義務者であり、配偶者相続人が登記権利者です。

例を挙げます。たとえば札幌在住のAが死亡し、相続人が配偶者BとAB間の子Cだとします。BC間の遺産分割協議で、札幌の居住建物(の所有権)はCのものになるものの、Bは配偶者居住権を取得しました。これでBは札幌の家に引き続き住むことが可能です。

この札幌の家について配偶者居住権の設定登記を申請する際は、配偶者相続人Bが登記権利者であり、建物の所有者であるCが登記義務者です。※建物の所有者が登記義務者になるのですから、配偶者居住権の登記を申請する前に、その前提として相続登記が必要です。

補足ですが、配偶者が遺贈で配偶者居住権を取得した場合は、遺言執行者は登記義務者の立場で登記申請ができるものと解されます。


登記の申請構造について<例外>


配偶者居住権の登記は、単独申請で行える場合もあります。それは、遺産分割の審判で配偶者相続人が配偶者居住権を取得した場合です(不登法63条1項参照)。

たとえば上記の札幌の家を巡めぐって、BとCで協議がまとまらなかった場合に、BCが札幌の家庭裁判所で遺産分割の審判を受け、Bに配偶者居住権が認められるような事例です。


申請の際に、住民票や戸籍などは登記原因証明情報として必要?


配偶者居住権が認められるためには、次の要件が必要です。

1:配偶者が被相続人所有の建物に相続開始の時に居住していたこと
2:配偶者が、相続開始時に法律上被相続人と婚姻をしていたこと

これらの要件を満たす場合といえば、たとえば札幌のBが配偶者居住権を取得する典型例は「ABが法律上の夫婦で、ABが長年にわたって札幌の家に同居していた」というケースでしょう。

このようなことから、上記1については住民票が、上記2については戸籍等の添付が必要であると思ってしまうでしょう。

しかし令和2年3月30日民二324号の通達によれば、住民票や戸籍等は必ずしも必要ではなく、提供された登記原因証明情報において上記1及び2の事実が読み取れればよい、とされています。


登記原因はどうやって書く?


登記の原因は、次のように記載します。

  • 年月日遺産分割
  • 年月日遺贈
  • 年月日死因贈与


  • 配偶者居住権は遺産分割、遺贈又は死因贈与によっては取得することになっているためです(民法1028条1項、民法554条参照)。

    なお、特定財産承継遺言(いわゆる相続させる旨の遺言のうち遺産の分割の方法の指定がされたもの)では、配偶者居住権は取得できません。もっとも、たとえば札幌のAが「札幌の家について、配偶者Bに配偶者居住権を相続させる」としていたとしても、遺言書の記載から遺贈の趣旨と理解できる場合は、これによって配偶者居住権の設定の登記を申請することが可能です。


    申請書には、配偶者居住権の存続期間を書く


    存続期間は登記事項です。存続期間について特に定めをしなかった場合は、配偶者相続人の終身の間となります(つまり、たとえば上記のBは、配偶者居住権によって亡くなるまで札幌の家に住み続けることが可能です)。

    申請書には、存続期間を書きますが、次のように記載します。

    存続期間の定めがない場合
    →「存続期間 配偶者居住権者の死亡時まで(又は年月日から配偶者居住権者の死亡時まで)」

    存続期間の定めがある場合
    →「存続期間 年月日から何年(又は年月日から年月日まで)又は配偶者居住権者の死亡時までのうち、いずれか短い期間」


    第三者の使用・収益を許す旨の定めも登記可能


    配偶者居住権を取得したとしても、配偶者相続人は、居住建物の所有者の承諾がなければ第三者にその建物を使用または収益させることができません(民法1032条3項)。

    しかし、第三者にその建物を使用または収益させることを許す定めがあるのであれば、その定めをあらかじめ登記することは可能です(改正不登法81条の2第2項)。


    登録免許税


    配偶者居住権の設定登記の登録免許税は、不動産の価額の1000分の2です(登録免許税法別表第一第一号(三の二))。たとえば上記の札幌の家に関して、配偶者居住権を設定する場合、札幌の家の固定資産評価額が2000万円であれば、4万円を納めることになるのです。

    また、配偶者居住権の設定仮登記を申請することも可能です。その場合は、不動産の価額の1000分の1を納税する必要があります。


    配偶者居住権は、令和2年4月1日以降の相続に適用


    配偶者居住権が認められるのは、令和2年4月1日以後に開始した相続についてです。これよりも前の日に開始した相続については認められません。


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    配偶者居住権の消滅事由


    札幌で不動産・預貯金などをはじめとした各種相続手続の代行をしている司法書士平成事務所です。札幌の当事務所では、相続手続のお手伝いをしているなかで、様々なご相談をいただきます。最近になって多いのが、平成30年度の改正相続法についてです。

    平成30年度の改正内容は多岐にわたりますが、その改正の目玉といえば「配偶者居住権」です。配偶者居住権は、様々な事由により終了することが民法で規定されています。配偶者が死亡した場合、あらかじめ定めていた期間が経過した場合、これらはイメージしやすいですが、それ以外にも途中で配偶者居住権が消滅する場合がいくつか定められています。札幌の皆様も関心のあることでしょう。

    今回は、そんな配偶者居住権の消滅事由について解説します。札幌の方だけでなく、札幌以外の方も参考になさってください。


    どんなときに配偶者居住権は消滅する?


    その1:期間の満了

    配偶者居住権は、あらかじめ期間を定めることが可能です。この期間を定めた場合、その期間が満了すれば、当然に配偶者居住権は消滅します。たとえば札幌在住のAが死亡し、その配偶者相続人であるBが、自宅に住み続ける配偶者居住権を取得したとして、その期間が20年であれば、20年経ったときにこの権利は消滅します。


    その2:配偶者相続人の不動産の使い方がルール違反の場合

    配偶者相続人は、建物を勝手に改築したり他人に使用させたりすることはできません(改正民法1032条1項、3項)。このように、定められた用法等に違反してしまうと、建物の所有者はまずその行為をやめるよう勧告します。それでも是正されない場合には、当該所有者が配偶者の居住権を消滅させることができます。(同条4項)。配偶者相続人の不動産の使い方がルールに反したものであれば、配偶者居住権は消えることになるのです。

    その3:配偶者相続人の死亡

    配偶者相続人が死亡した場合には、あらかじめ定めていた期間が残っていたとしても、配偶者居住権は消滅します。配偶者居住権は、配偶者相続人のための権利であり、相続の対象にはならないのです。


    その4:建物が使えなくなってしまった場合

    配偶者居住権が設定された建物全体が倒壊・滅失するなど、配偶者相続人が使用収益することができなくなった場合には、この時点で配偶者居住権は消滅します(改正民法1036条、616条の2準用)。



    配偶者居住権が消滅した場合の義務


    配偶者居住権が消えた場合、配偶者相続人はある義務を負います。簡単にいうと、元通りにして建物所有者に建物を返還する義務ですが、もう少し詳しくみていきましょう。


    その1:居住している建物の返還義務

    配偶者居住権が消滅すれば、配偶者はその建物を使用する権原を失います。したがって、建物の所有者に配偶者居住権の対象となった建物を返還するのが原則です。たとえば札幌在住のAが死亡し、配偶者であるBが配偶者居住権を取得したがそれを失った場合は、建物の「所有権」を取得した者にその建物を引き渡すのです。建物の所有者は、これで建物の使用権まで具備することになるのです。

    ただし、配偶者相続人が建物について共有持分権を有している場合には事情が異なります。当該権利に基づいて、配偶者相続人はその建物を利用することができます(民法249条)。したがって、配偶者居住権が消滅した後でも、建物を明け渡す必要はないのです(改正民法1035条1項)。


    その2:原状回復義務

    通常の賃貸借契約同様、建物を返還するときには、使用により生じた損傷を直しておくことが求められます。ただし、通常の使用によりついた傷や経年劣化に関しては、配偶者相続人が修繕して返却する必要はありません。

    また、その損傷の発生が配偶者相続人のせいではない場合についても、同様に原状回復義務は負いません(改正民法1035条2項、621条準用)。


    その3:附属させた物の収去義務

    建物を返還する際、相続が開始した後に設置したクーラーや家具を撤去する必要があります。これも一般的な賃貸契約の場面を想像するとわかりやすいと思います。

    ただし、建物から分離させることができないものや、撤去に多額の費用を要する場合には、例外的にそのままで返還できます(改正民法1035条2項、599条1項準用)。また、これは同時に収去権として配偶者の権利でもあります(同条)。



    金銭請求の期間


    上述の配偶者居住権消滅事由のうち、「その2:配偶者相続人の不動産の使い方がルール違反の場合」においては、建物の所有者は配偶者相続人に対して、損害賠償請求ができます。

    また、本来所有者が支払うべき費用を配偶者が代わりに支払っていた場合には、配偶者から所有者に対して償還請求をすることができます。

    これらの請求は、ともに建物の返還から1年以内に請求しなければいけない点には注意をしなければいけません(改正民法1036条、600条1項準用)。また、返還から1年が経過するまでは、所有者からの損害賠償請求権の時効は完成しません(改正民法600条2項準用)。




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    平成30年度相続法改正の概要


    札幌の司法書士平成事務所では、札幌・札幌近郊(小樽市、恵庭市、北広島市、千歳市など)を中心として、不動産や預貯金などの各種相続手続を代行しております。そんな相続を業務の主軸とする当事務所には、相続について数々のご相談をいただきますが、最近になってよく聞かれるのが平成30年度の改正相続法についてです。


    平成30年7月6日、改正相続法(「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」「法務局における遺言書の保管等に関する法律」)が成立しました。そして令和元年7月1日に、その一部が施行されています。

    この度の法改正では新制度が複数創設され、既存制度の見直しが図られました。その結果、相続法分野の条文数も増加しています。

    ここでは、改正に至った経緯と主な改正点の内容について解説していきます。札幌の方だけでなく、札幌以外の方もぜひ参考にしてください。


    今回の改正の経緯


    今回の改正については、「高齢化社会の進展や家族の在り方に関する国民意識の変化等の社会情勢に鑑み、配偶者の死亡により残された他方配偶者の生活への配慮等の観点から、相続に関する規律を見直す必要」が指摘されたことから、平成27年4月より法制審議会が審議を重ねてきました。その後、平成30年7月6日、改正相続法が国会で成立しました。

    改正された理由としては、改正前の相続法が制定された当時と現代では社会の在り方が大きく変わっており、従来の相続法では対応できないことが多々あったためです。たしかにこれまで札幌で相続の相談を受けていても、民法の定めが現状の家族の在り方に合っていないのではないかと思うことが多々ありました。このような「現代の家族の姿に合わせる改正」は、札幌の方をはじめ、全国の方にとって非常に重要な改正だといえます。


    配偶者相続人の「居住権」を保護する新制度


    改正相続法では、配偶者相続人の居住権を保護する制度が創設されるに至りました。その背景は次の通りです。

    我が国は高齢社会が非常に進展して、そのため相続開始の時点で配偶者相続人は既に高齢であることから、保護する必要性が高いといえます。札幌市中央区にある当事務所にいらっしゃる被相続人の配偶者だというご相談者(配偶者相続人)がすでに60代や70代であることは珍しくありません。

    その一方で、被相続人の子供は既に独立しており、保護の必要性は低いといえるでしょう。

    このような前提があるだけでなく、遺産の分割で配偶者相続人が居住住宅(家)を相続すると、それだけで配偶者相続人の相続分(たとえば2分の1)を超えてしまい、現金などを確保(相続)できないおそれがありました。

    そこで、一定の要件を満たす場合には、「被相続人の遺産である『家』に、配偶者相続人が無償で住み続けることができる」という権利を与えることにしたのです。
    これが、配偶者居住権(第1028条~1036条)です。

    要件としては次の1及び2または1及び3を充足することが必要です。

    1:相続開始時にその建物に住んでいる
    2:遺産分割で配偶者居住権を与えるとした場合
    3:配偶者居住権が遺贈された場合

    配偶者居住権は、いわば配偶者相続人の長期的な保護です。

    また、改正相続法は配偶者相続人の居住権を短期的に保護する制度も創設しています。遺産分割などで家が他の相続人のものになった場合には、これまで住んでいた配偶者相続人が引っ越しの準備などをするために、配偶者相続人は一定期間無償でその建物に住み続けることができます。これを配偶者短期居住権(第1037条~1041条)といいます。


    遺産分割の場面でも配偶者を保護することに


    遺産分割の場面においても、配偶者相続人がこれまで以上に保護されることになりました。

    今までは、被相続人が死亡前に相続財産の一部を配偶者相続人に贈与した場合には、配偶者相続人は、その分だけ遺産の分割の際に得られる財産が少なくなっていました(第903条1項参照)。札幌で相続の相談を受けている当事務所ですが、よく覚えている事例として、配偶者相続人の方が、「生前に財産をもらっていたため、遺産分割ではあまり財産をもらえなかった」と嘆いていた事例がありました。札幌だけでなく、このような事例は多くあるでしょう。

    しかし、婚姻期間が20年間以上となる夫婦において、一方の配偶者がもう一方の配偶者に対して家、その敷地の全部又は一部を贈与又は遺贈した場合には、被相続人が当該配偶者に対して、持ち戻しを免除する意思表示をしたと推定されます(同条4項)。これにより、残された配偶者の居住場所を、配偶者居住権以上に強力に保護することができるのです。


    遺産の一部の仮払いが認められることに


    改正相続法は、配偶者を保護する制度を創設しただけではありません。他にも、現在の問題を解決するべく、諸々の改正がなされました。たとえば遺産である預貯金の一部仮払いです。

    最高裁の判断により、被相続人の預貯金債権は遺産分割の対象とされたことから、遺産分割前に、相続人が勝手に引き出すことはできません(たとえ自己の相続人に相当する額の引き出しであってもダメです)。しかし、これでは葬儀費用などの支払いにも窮する方がおり、非常に不都合でした。札幌の金融機関でも、これまでは遺産分割前は、たとえ法定相続分であっても預貯金の引き出しはできませんでした。

    (1)このような事態を解消するために、家庭裁判所に遺産分割の審判又は調停の申し立てがあった場合には、預貯金を使う必要が認められ、かつ他の共同相続人を害するような事情がないと認められれば、家庭裁判所が申立人や相手方の申し立てにより、遺産の中の預貯金債権の全部又は一部を仮に取得させることができるようになりました(改正家事事件手続法第200条3項)。

    (2)また、申立てをしていなくても預貯金債権の一部を単独で行使できるようになりました。その限度としては、遺産中の預貯金債権額の3分の1に、当該法定相続人の法定相続分を乗じた額となっています(第909条の2)。

    遺産である預貯金を勝手に使っていいかどうかは札幌で相続手続の相談を受けていてもよく聞かれることです。今後はこのような取り扱いになることを説明できるようになったことは、札幌で相続手続をサポートする当事務所にとっても朗報でした。

    遺産の一部分割が明文でも認められることに


    改正相続では、遺産の一部についての遺産分割協議が条文上でも明確に認められることになりました。

    共同相続人は、いつでも協議によって遺産の分割ができますが、それは、これまでも遺産の一部でも全部でも良いことになっていました(第907条参照)。遺産分割協議書の作成を依頼されることが多い札幌の当事務所ですが、たしかに昔から、遺産の一部しか協議書には載せないことは珍しくありませんでした。たとえば相続登記などのお手伝いをする際にも、ご相続人には不動産だけを対象として遺産の分割協議をしていただくことがありますが、これが遺産の一部分割に該当します。改正相続法では、このような一部の分割でもよいということが、条文から明確になったといえます。

    ただし、被相続人が遺言で分割を禁止(第908条)しているような場合には、これができないので注意が必要です。


    遺産分割前に、遺産の一部が処分された場合の遺産の範囲


    遺産分割よりも前に遺産の一部が処分(たとえば預貯金であれば使い込み)されることは多々あります。札幌で相続に関するお問合せをいただく際も、そのようなご相談がございます(なお、このようなご相談があった場合、当事務所では紛争案件については弁護士事務所へ相談いただくようお願いしております)。

    改正相続法では、遺産分割の前に遺産の一部が第三者に売却されたり贈与されたりした場合、共同相続人の全員が同意すれば、その処分された財産も遺産に含むとして遺産分割をすることが可能です(第906条の2)。この時の同意ですが、遺産を処分した相続人の同意は不要です(同条2項)。


    遺言制度についての見直し


    改正法では遺言についても大きく改正されました。

    (1)自筆証書遺言の方式の緩和
    これまでは財産の目録も含めて全文を自筆する(自分で書く)必要がありました。しかし今回の改正により、相続財産の目録については自筆する必要はなくなり、毎葉に署名押印をすれば足りるようになりました(第968条2項、3項)。結果、一部パソコン書きの自筆証書遺言が解禁されたといえます。札幌で遺言書の作成をお手伝いすることもありますが、なかには手の不自由な方もいらっしゃいますので、このような改正は非常に助かります。

    (2)自筆証書遺言書の保管制度の創設
    遺言者は、法務局に申請することによって、無封の自筆証書遺言の保管をしてもらうことが可能となりました(法務局における遺言書の保管等に関する法律)。これで自筆証書遺言の紛失について気にする必要はなくなりました。札幌の当事務所では、遺言書といえばこれまで公正証書の形式を推奨していましたが、この新制度によって、自筆証書の遺言書も選択できる場面が増えたといえます。

    (3)遺贈の担保責任
    遺言によって遺贈がなされた時には、遺贈義務者は相続が開始した時点の状態で対象物を引き渡し、又は権利の移転をする義務を負います(改正相続法998条)。

    (4)遺言執行者の権限
    遺言執行者は遺言の執行に必要な広い権限を有しますが、この権限の内容が以前に比べて明確になりました(第1012条参照)。たとえば、遺贈がある場合は遺言執行者だけがその履行義務を負います(同条2項)。また、遺言執行者は、遺産の一部を特定の相続人に承継させるという遺言がある場合には、その相続人が他人に対し権限を主張するための要件を備えるために必要な行為をすることができます。

    このように遺言執行者の仕事内容は多岐に渡るため、その仕事を第三者に行わせることも可能です(第1016条1項)。この場合には、遺言執行者がその第三者がやったことについても責任を負うことになります。


    遺留分制度の見直し


    被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人について、最低限の遺産取得を認める制度が遺留分制度ですが、いくつかの重要な改正がありました。

    (1)遺留分侵害は金銭のみで解決する
    改正前は、「遺留分減殺請求」として侵害の原因となっている財産を返還させる対応をしていました。結果、遺留分を主張する者と主張される者が遺産を共有する事態となっていました。改正法では、遺留分額を計算し、侵害されている分の「金銭」を請求することになりました(第1046条1項)。

    (2)遺留分の計算方法
    遺留分を計算するには、まず基礎となる財産の価額を確定させる必要があります。その際には、相続人に対する過去10年間の贈与の価額、相続人以外の者に対する過去1年の贈与の価額を算入することになりました(第1044条)。その他負担付き贈与などについても、算入時の計算が第1045条により規律されています。


    相続人以外の者への配慮


    相続人ではないものの相続人の家族などで、被相続人の介護などを無償で行う方がいます。その結果、被相続人の遺産が減らない貢献をした、といえる場合があるでしょう。

    従来の相続法ではその者を直接保護することはできませんでしたが、改正により、介護等をした本人が、相続に対して自らの働きに応じた特別寄与料を請求できるようになりました(第1050条)。

    相続の効力についての改正


    他にも改正点はあります。

    (1)相続によって所有権など権利を獲得した場合には、登記などの対抗要件を備えなければ、自分の法定相続分以上の部分を第三者に主張することができません。札幌で相続登記のお手伝いをする者としては重要な改正です。

    (2)遺言によって法定相続分とは異なる相続分の指定がなされた場合でも、被相続人の債権者は共同相続人に対し、その相続分の内訳によらず法定相続分に基づいて権利を主張することができます。従来の取り扱いが明文で定められることになりました。

    (3)遺言執行者がいるにも関わらず、相続人が勝手に遺産を売却などした場合、その行為は無効となります。ただし、何も知らずに相続人と取引をした第三者には無効だとは主張できません(第1013条2項)。


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    平成30年度の改正相続法の施行日は令和元年7月1日

    施行日が官報で公表されました


    平成30年11月21日(水)の官報で、改正相続法の施行日が公表されました。札幌の方も札幌以外の方も、相続にご興味がある方は参考になさってください。

    • 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行期日⇒令和元年7月1日
      (ただし、遺言書の方式緩和は令和元年1月13日から施行)
      (ただし、配偶者の居住の権利については令和2年4月1日から施行)
    • 法務局における遺言書の保管等に関する法律の施行期日⇒令和2年7月10日



    参考資料(平成30年11月21日の官報)

    真ん中あたりの政令第316号及び317号をご覧ください。




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    遺言執行者の復任権が改正された

    遺言執行者は他の人に遺言執行を任せられる?


    札幌で相続分野を専門としている事務所として、遺言執行に関するご相談・ご依頼をいただくことがあります。

    遺言執行といえば、従来までは、「遺言執行者の復任権」があるのを考える必要がありました。遺言執行者は遺言者の信任によって選ばれる場面が多く、その場合は能力や立場等を考えて遺言者は遺言執行者を指定しています。しかしながら、遺言執行者に指定された者は、司法書士などの専門家に任せたいという場合が少なくなかったのです。札幌で相続の相談を受けていると、遺言執行をしてほしいというお話しが、遺言執行者に指定された方からちらほらあります。

    実は、この遺言執行者の復任権については、平成30年度の改正相続法で大きく変わった分野であるため、ここで解説します。


    旧民法は、遺言執行者の復任について厳しい態度

    旧民法では、次のように規定されていました。

    民法第1016条 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。

    旧民法では、遺言執行者は遺言者が信任に基づいて遺言によって指定するか、あるいは家庭裁判所が選ぶものであるため、第三者に任務を任せることは望ましくないとされていたのです。

    しかしながら、遺言執行者自身が病気等の事情により遺言の執行をすることが難しい場合は「やむを得ない事由」があるとして、第三者に任務を行わせることが可能になります。また、遺言書作成の時点で、遺言書のなかに復任権を認める規定を入れれば、復任が認められます(札幌で遺言書作成をお手伝いする際は、札幌相続相談所では、特段の事情がない限り、復任権の文言を入れていました)。

    問題なのは、相続財産が複雑化・多様化している昨今においては、司法書士等の専門家に遺言執行を任せてしまいたい場面があるでしょう。相続財産が多岐に渡ったり、相続人がたくさんいたりすると、遺言執行者とはいえ一般の方では到底対応することができないことはたくさんあるためです。

    そこで相続法の改正によって、遺言執行者の復任権の取扱いが大きく変わることになりました。


    遺言執行者は、「原則復任できる」になる

    平成30年度の民法改正によって、民法第1016条が次のように改められました。

    •  遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
    •  アの本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを追う。

    上記の「ア」にあるように、遺言執行者は原則として第三者に遺言執行を任せることができることになります。一方で、遺言者がその復任を許さない意思を表示していたときは、その限りではありません。つまり「原則できない、例外できる」とされていた旧民法の規定が、「原則できる、例外できない」と改められたのです。これにより、改正相続法が施行された後に作成された遺言書については、復任権について言及されていない遺言書でも、復任代理人として札幌相続相談所で遺言の執行をお手伝いすることが可能になりました。

    また、上記「ア」によると、遺言執行者が任務を第三者に任せるときは「自己の責任において」ですから、第三者の遺言執行の事務に関するリスクは、遺言執行者自らが被ることになります。 しかしながら第三者に遺言執行を任せた場合において、それがやむを得ない事由によるものであるときには責任は小さいものとなります。


    司法書士等を履行補助者として使う方法がある

    旧民法に基づいて司法書士等の専門職が遺言執行のお手伝いをするのであれば、それは履行補助者という形で関与することが一般的でした。札幌相続相談所に持ち込まれる遺言書の執行のお手伝いも、履行補助者という 形で、部分的にお手伝いしてきました。

    たとえば札幌市中央区の方が亡くなり、相続財産が札幌市内の預金である場合に、遺言執行者が司法書士にその預金手続きを依頼するのです。

    このように、遺言執行者がいる場合についても司法書士等の専門職がお手伝いすることは今でも可能だったのです。改正相続法では、このお手伝いできる範囲を一気に広め、遺言書執行者の復任権を幅広く認めたことが特色です。


    改正相続法については、以下も参考になります。

    次の記事も参考にしてください。

    遺言執行者の地位と権限の改正<改正相続法>
    遺言執行者が遺言内容を相続人に通知<改正相続法>


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    遺言執行者が遺言内容を相続人に通知<改正相続法>

    遺言内容の通知は必要?


    札幌で遺言の執行について聞かれることがよくあります。遺言を執行する者(遺言執行者)は、遺言内容を実現するための人であり、遺言のなかで選ばれることが多々あります。実際に札幌で遺言作成のお手伝いをする際にも、遺言のなかで執行者を指定することは通常のことです。

    では、遺言者が死亡し、遺言の効力が生じた後に、遺言執行者は遺言内容を相続人に通知しなければいけないのでしょうか。いざ遺言執行の場面になってどのように進めたらよいのかについては、札幌で相続・遺言のお手伝いをしているときもよく聞かれることですので、ここで解説します。


    旧法律では、通知は明確に規定されているわけじゃなかった

    旧民法においては、遺言執行者が遺言内容を相続人に通知しなければいけないという規定は存在していません。このことによって、札幌で相続の相談を受けている中で、「私は遺言執行者ですが、相続人には遺言について知らせる必要はありませんよね?」と聞かれることがよくありました。

    しかしながら、司法書士が遺言執行者である場合は、その通知をするのが通常でした。当事務所の司法書士だけでなく、札幌の司法書士が遺言執行のお手伝いをする際は例外なくそのようにしていました。

    たしかに条文では求められてはいませんが、実務上、専門職である司法書士が遺言執行者になった場合は、その就任の承諾通知(遺言執行者への就職通知)を相続人にします。 その際に、遺言執行者は遺言書のコピーもつけて通知をするべきだといわれているのです。

    これは「遺言執行者の地位」からくるものです。遺言執行者は、相続人の代理人であるとされているところ、本人たる相続人には、遺言内容を知らせておくべきとの判断が働くのです(民法第1015条参照)。

    また、相続人が遺言の内容を知らずに相続財産を勝手に処分する等の行為をする危険性を考えると、遺言内容を通知しておくに越したことはないのです。


    改正相続法で、遺言内容の通知が条文でも義務に

    相続法が改正され、遺言執行者が遺言内容を相続人に通知することが義務化されました。民法の条文に、次の文言が追加されることになったのです。

    遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。

    たとえば札幌市中央区のAが死亡し、遺言執行者がBで、相続人が札幌市西区のCだとすると、BはCに遺言の内容を通知し、Cにその内容を教えるのです。

    相続人に遺言内容を知らせ、遺留分侵害額請求の機会を確保するという意味では、意味のある法改正だといえるでしょう。


    改正相続法については、以下も参考になります。

    次の記事も参考にしてください。

    遺言執行者の地位と権限の改正<改正相続法>


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    遺言執行者の地位と権限の改正<改正相続法>

    遺言執行者の地位と権限が明確になる


    札幌で遺言・相続のお手伝いをしているなかで、遺言執行者の地位(立場)について聞かれたことがありました。遺言執行者はその名の通り「遺言を執行する人」ですから、遺言内容を実現する行為をすることが可能です。札幌市で相続・遺言の相談を受けているなかでも、遺言執行者の記載のある公正証書遺言を見せてもらうことが多々あります。

    しかし、これまではその遺言執行者の地位が条文からは不明確であるともいえました。そこで、その遺言執行者の地位と権限について、条文が改正(平成30年改正)されました。ここでは、どのような改正なのか解説します。この改正で、遺言執行者の地位と権限が従来よりも明確になったといえます。


    遺言執行者の地位について

    旧民法では、遺言執行者は相続人の代理人だとされていました。

    普通の感覚であれば、遺言執行者は「遺言内容を実現する人」であるのだから、遺言者の代理人であると考られなくはありません。札幌で遺言の相談を受けていても、相談者のお話しぶりから、そのように理解しているのだろうと思うことが多々ありました。

    しかしながら、遺言の効力が生じるのは相続の開始があったとき、つまり遺言者が死亡した後であるため、その時点で死亡している遺言者の代理人だととらえることはできません。だから条文では、遺言執行者は相続人の代理人だとされていたのです。問題は、「遺言執行者は相続人の代理人」という意味が非常に分かりにくいことです。

    そこで、この「遺言者執行者は相続人の代理人」の意味が、改正相続法によって明確になりました。民法第1015条が、次のように改正されたのです。

    第1015条
    遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。




    遺言執行者の一般的権限について

    次は遺言執行者の権限についてです。

    遺言執行者の一般的な権限については、民法の旧第1012条では次のように規定されていました。

    遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(民法第1012条1項)。

    しかしながら、これでは遺言執行者がどのような権限を持っているのかよく分かりません。遺言執行者はあくまでも「遺言内容を実現するための人」なのに、「相続財産の管理に該当すれば何でもできる」と読めてしまいます。札幌で相続の相談を受けていても、相談者の話しぶりから、「遺言執行者なのだから何でもできるのでしょう」と思っていることが推測されることはよくありました。

    そこで民法第1012条は、次のように改正されました。

    民法第1012条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する

    上記のように法改正がされることで、遺言執行者は「遺言の内容を実現するための人」である旨が明確になるのです。このような規定になると、被相続人の不動産が札幌と小樽にあったならば、遺言の内容を実現するために、その不動産に関する登記(相続登記や遺贈の登記)をすることが可能である旨が、明確に読み取れるといえます。


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    法務局で自筆証書遺言が保管される

    自筆証書遺言で困るのはその「保管」について


    札幌で相続・遺言の相談を受けていていると、自筆証書の遺言書のデメリットを聞かれることがあります。デメリットといえば、自筆証書遺言を作成して、困ってしまうのは「保管」です。せっかく民法の要件を満たした形で自筆証書遺言を作成しても、遺言者が遺言書を上手く保管できずに「紛失」してしまうことがあるのです。

    札幌で相続・遺言に関する相談を数多く受けることがある当事務所では、自筆証書遺言はその保管の難しさから、あまりおすすめしていません。これまでは公正証書で遺言書を作成することをご提案してきました。

    しかしながら、改正相続法により、自筆証書遺言が「法務局」で保管してもらえることになります。法務局で保管されるということは、紛失のおそれがないだけでなく、相続人が、遺言者の死後に法務局で遺言の有無確認をすることが可能になるのです。もちろん札幌の法務局でもその保管を申請することが可能です。

    ここでは、改正相続法による「自筆証書遺言の保管」の概要について解説します。


    自筆証書遺言を保管してもらうための「要件」

    遺言者が作成した自筆証書遺言は、どのようにすれば法務局に保管してもらえるのでしょうか。

    まず必要なのは、「保管の申請」です。単なる申出ではなく「申請」というからには、一定の申請書類等を提出することになります。

    その申請の際に提出する自筆証書遺言は、「無封」のものでなければいけません。これは申請時に法務局の事務官(遺言書保管官)が、当該遺言の民法第968条の定める方式への適合性を外形的に確認するためです。

    したがって明らかに民法968条の形式不備である遺言であるならば、その時点で法務局側が不備を指摘してくれることになります。このようなことから、札幌でもこの制度を利用する方は多くいるでしょう。


    保管の申請はどこの法務局でするの?

    保管の申請については、次の法務局が管轄権を持つことになります。

    • 1. 遺言者の住所地の法務局
    • 2. 遺言者の本籍地の法務局
    • 3. 遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局

    上記のいずれの法務局でも遺言の保管の申請が可能ですので、もっともアクセスが便利な法務局を選択するとよいでしょう。たとえば住所地が札幌市中央区、本籍地が旭川市、所有する不動産が札幌市南区にあるという方は、おそらく住所地(札幌市中央区)を管轄する法務局が利用しやすいでしょう。 なお、保管の申請は、遺言者が自ら法務局に出頭して行うのが原則です。


    法務局に遺言書を保管してもらえば、後に「遺言検索」が可能に

    法務局に遺言を保管してもらえば、遺言者の死後に相続人側で遺言の検索が可能になります。

    まず認められるのは、誰であっても、次の遺言書について、その遺言書を保管している法務局の名称等を証明する書面の交付を請求することです。

    • 自己を相続人とする被相続人の遺言書
    • 自己を受遺者又は遺言執行者とする遺言書

    また、上記の遺言書を保管している法務局に対して、相続人等はその遺言書の閲覧を請求することが可能です。

    さらに、遺言書に係る画像情報等を証明した書面の交付を請求することも可能です。

    注意しなければいけないのは、これらの請求は「遺言者の生存中は認められない」という点です。遺言者としてはどのような遺言を作成したかは伏せておきたいことが予想されるため、相続人等からの「遺言検索」が可能になるのは相続開始後なのです。


    法務局保管遺言書なら、なんと「検認」が不要

    これまでは、遺言者の死後に、その者が作成した自筆証書遺言を家庭裁判所に持ち込んで「検認」を受けなければいけませんでした。被相続人及び相続人が札幌の方なら、札幌家庭裁判所に自筆証書遺言を持ち込んで面倒な手続が必要だったのです。札幌で遺言実務に携わる当事務所にも、検認申立のご依頼はまれにあります。

    しかしながら、法務局に保管される自筆証書遺言については、この検認手続が不要になります。これによって相続人側の負担が大幅に減ることが予想されます。


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    一部パソコン書きの自筆証書遺言も認められる

    自筆証書遺言、「全文の自書」の要件緩和


    札幌で遺言書作成の相談を受けていると、自筆証書遺言書の作成の仕方について聞かれることがあります。 もっとも作成が簡単な遺言の形態が「自筆証書遺言」です。公正証書遺言は公証役場で一定の手数料を支払い、厳格な要件のもとに作成するのに対し、自筆証書遺言は費用をかけずに自分一人で作成できるのです。このようなことから、札幌でも自筆証書遺言を作成する方は多くいるでしょう。

    しかしながら、遺言は厳格な様式行為であるされており、民法で規定された要件を満たして作成しなければいけません。

    自筆証書遺言の作成に関する要件は下記の通りです。

    民法第968条1項
    自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

    「全部を自書し」とあるこから、遺言者が一字一句自分自身で文言を書かなければいけません。これが、自筆証書遺言書を作成する上での「原則」です。


    「全文の自書」はとにかく大変

    自筆証書遺言によって作成される遺言は珍しいものではなく、私が事務所を営む札幌市においても自筆証書の形態によって遺言を作成したとする話はよく聞きます。

    しかしながら、自筆証書遺言は「全文の自書」が求められることから、その作成は容易ではないことがあります。

    たしかに「すべての財産を札幌市西区在住の長男に相続させる」と書くのであれば簡単に書けるでしょうが、不動産の所在や預貯金の口座番号まで含めて全文を自書するのは、意外と大変なのです。

    大変であるものの、遺言者が死亡して相続が開始した後のことを考えると、不動産の表示や預貯金の口座番号まで書いておくに越したことはありません。

    そこで平成30年度の改正相続法においては、一部パソコン書きの自筆証書遺言も認められることになったのです


    財産目録はパソコン書きで……

    前述した民法第968条第1項では「全文を自書し」とありますが、「自筆証書に相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書することを要しない」とさとされました。

    たとえば相続財産の目録として、土地や家屋は次のようにパソコンで作成することができるのです。

    所在 札幌市北区~
    地番 1番1
    地目 宅地
    地積 100㎡
       
    所在 札幌市北区~
    家屋番号 1番
    種類 居宅
    構造 木造
    床面積 50㎡



    署名・押印をお忘れなく

    相続財産の目録を自書ではなくパソコンで作成した場合には、遺言者はその目録のすべてのページに、署名し、印を押さなければいけません。

    やはり遺言は厳格な様式行為ですから、いくら簡略化するとはいえ、目録も遺言者の意思で作成したと分かる状態にしておかなければいけないのです。


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    相続預金、遺産分割前でも仮払いを受けられる?<改正相続法>

    預金債権は遺産分割の対象とされたが……


    たとえば札幌市中央区在住のAさんが亡くなり、相続人はBとCだとします(相続分はそれぞれ2分の1)。BCは遺産分割をする前にそれぞれの法定相続分については、A名義の銀行預金を引き出すことはできるのでしょうか。

    最高裁の昔の見解では、預金債権は当然に各相続人に、その相続分に応じて相続されるとしていたことから、遺産分割前でも各相続人が自らの相続分については引き出すことが可能でした(最一小判昭和29年4月8日民集8巻4号参照)。札幌の各金融機関でも、この見解を尊重してくれていました。

    しかしながら平成28年12月19日に、最高裁大法廷は相続人が相続した預貯金債権は遺産分割の対象となるという決定を行いました。

    共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び 定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるこ とはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である(平成28年12月19日最高裁大法廷決定)。

    この決定によって、遺産分割前においては、相続人が相続預金を引き出すことはできないとする取扱いが、金融機関で広まりました。札幌の金融機関も、もちろんその例外ではありません。

    では、預金債権は遺産分割前においては引き出すことはできないのでしょうか? 札幌で相続の相談を受けていてよく聞かれることですので、ここで解説します。 

    実は、改正相続法において、遺産分割前でも仮払いが認められる可能性が出てきました。


    相続人が預貯金の払戻を仮払いを受ける制度の創設

    共同相続された預貯金債権の権利行使について、次のような規定が創設されました。

    それぞれの共同相続人は、遺産たる預貯金債権のうち、その相続開始時の預金債権額の3分の1に当該共同相続人の法定相続分を乗じた額(ただし、法務省令による上限あり)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

    払戻額の上限は一般的な生活費や葬祭費等を勘案して法務省令で決まりますが、とにもかくにも一部だけでも預金を引き出せるということです。札幌の各金融機関でも、これによって一部の払い出しに応じてくれることになります。※令和2年現在、法務省令では上限は150万円とされています。

    その引き出した預金は、以後の遺産分割で調整することになります。


    家事事件手続法における保全処分の要件を緩和

    改正相続法により、家事事件手続法第200条に次の規定が付け加えられました。

    家庭裁判所は、遺産分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する預貯金債権を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に取得させることができる。

    遺産分割が整うのを待っていては何かしらの不利益がある場合に、預金の全部又は一部を引き出せる制度です。

    上記の平成28年12月19日最高裁大法廷の決定を受けて、預金を引き出せないと困ってしまう相続人を救済する狙いがあります。


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