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相続登記の「被相続人の同一性を証明する書類」とは

札幌で相続登記をはじめとする各種相続手続を代行しています。相続手続にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。札幌圏でトップクラスの実績であると自負しています。

さて、札幌市中央区の当事務所では非常に多くの「相続登記(相続不動産の名義変更手続き)」のお手伝いをしています。

相続登記といえば、その登記申請において「被相続人の同一性を証明する書類」の添付が必要です。ここで、「被相続人の同一性を証明する書類」について、札幌の相続専門家が解説します。

被相続人の同一性を証明する書類が必要な理由

被相続人の同一性を証明する書類とは、簡単にいうと「死亡したのが登記簿上の被相続人であることを証明するための書類」です。

説明を続けます。
相続登記には、戸籍を添付します。一般的には被相続人の出生から死亡までの戸籍すべてです。そしてこの戸籍を見れば、被相続人が死亡したということがわかります。

しかしながら、戸籍に「Aさんが死亡」と記載されていただけでは、「死亡したのは本当に登記簿上のAさんなのか」ということはわかりません。

法務局では、人物の特定は「住所と氏名の一致」をもって行います。登記簿には、たとえば「札幌市北区〇〇町一丁目1番1号 A」と記載されていたら、その「住所(札幌市北区~)と氏名(A)」の二点を確認するわけです。

問題なのは、戸籍には氏名の記載はあっても、「住所の記載がない」ということ。戸籍に記載されているのは本籍地であって、住所ではないのです。

これでは、法務局としてはAさんの死亡戸籍を提出されても、「死亡したのは本当に登記簿上の札幌市北区のAさんなのだろうか」となってしまいます。そこで必要なのが、「被相続人の同一性を証明する書類」なのです。

被相続人の同一性を証明する書類の基本

被相続人の同一性を証明する書類は、上記のような事情から必要なのであり、論理的に考えると、次の書類があれば足りるといえます。

  • 戸籍の本籍地が載っている書類で、登記簿上の住所と氏名が載っている書類


  • 上記の書類があれば、被相続人の同一性を証明する書類が「登記簿」と「戸籍」をつなぎあわせます。つまり法務局としては「戸籍にAさんが死亡したとあるが、死亡したのは登記簿の札幌市北区のAさんに違いない」とわかることになるのです。

    続いては、被相続人の同一性を証明する書類とは具体的にどの書類が該当するのかについて解説します。

    住民票の除票

    住民票には、住所と氏名が記載されているのは当然ですが、本籍地や戸籍筆頭者を記載してもらうことも可能です。普段意識していないかもしれませんが、本籍地や戸籍筆頭者を記載してもらうようにするためのチェック欄が、役所に備え付けの住民票の請求用紙にあるはずです(札幌市の住民票の請求用紙にも、そのようなチェック欄があります)。

    死亡した人の住民票を取得することはできないと思っている方もいるでしょうが、死亡した人の住民票も「除票」という形で、役所で発行してもらうことが可能です。なお、取得の仕方は住民票と同じですが、被相続人の住民票除票を取得するために、請求者が相続人に該当することを証明する書類が必要なことがあります。

    戸籍の附票

    戸籍の附票とは、戸籍簿と一緒に作成され、戸籍に記載された者の住所と氏名が記載されるものです。戸籍の附票は戸籍簿とセットで作成されるものですから、当然本籍地も記載されます。

    この戸籍の附票があれば、「本籍地・住所地・氏名」の三点を証明することが可能です。つまり「被相続人の同一性を証明する書類」として、戸籍の附票が利用できるのです。

    登記簿の住所が見当たらない場合

    問題なのは、住民票除票や戸籍の附票に、「登記簿上の被相続人の住所地」の記載がない場合です。たとえば「札幌市北区のAさん」の場合に、その住民票の除票や戸籍の附票を取得しても、あるのは「札幌市北区」の住所ではなく、「札幌市の他の区の住所」であったり、札幌以外の住所であったりすることは珍しくありません。

    この現象は、不動産を取得した当初から住所が変わっているのに、住所変更登記をしないまま死亡すると起こります。住所変更登記は義務ではありませんから、住所が変わっても、いちいち住所変更登記をしない人がいるのは仕方のないことです。

    戸籍そのものも「同一性の証明書」になることがある

    ところで、戸籍そのものも同一性を証明する書類になることがあります。

    昔のケースでは、本籍地を住所地として登記したケースもありました。すると、その本籍地が載っている戸籍そのものを提出すれば、「戸籍に記載された〇〇さんが死亡したらしいが、この○○さんは登記簿上の○○と同一人物である」ということがわかります。

    公文書で被相続人の登記簿上の住所地を発見できない場合

    住民票の除票・戸籍の附票で被相続人の登記簿上の住所地を発見できず、さらには登記簿上の住所地が戸籍そのものの本籍地がない場合はピンチです。※住民票の除票や戸籍の附票は保存期間が経過したら廃棄されてしまいますので、登記簿上の住所が古い住所である場合、登記簿上の住所が載っている住民票の除票や戸籍の附票が発行されない場合は珍しくありません。

    この場合は、次の書類を添付して登記申請をします。

    1:取得可能な住民票の除票や戸籍の附票
    2:戸籍の附票の廃棄証明書 ※住民票の除票の廃棄証明書というのは制度上存在しません
    3:不在籍証明書
    4:不在住証明書
    5:不動産の登記済権利証

    上記の「3」と「4」は、登記簿上の住所地を「住所地又は本籍地とする者がいない」ということを証明する書類です。登記簿上の住所地が札幌市北区であれば、札幌市の北区役所で発行されます。

    問題は1から4の書類を用意したものの、「5」の書類がない場合です。

    5の書類がない場合は、法務局と相談の上、次の書類等を添付して登記申請するのが通常です。

    6:登記簿上の住所地と氏名の記載のある固定資産の評価証明書又は納税通知書
    7:上申書

    上記7の上申書は、最近は法務局から要求されなくなりましたが、司法書士が実務上作成することはまだあるでしょう。上申書は、簡単にいうと「死亡した戸籍のAさんは、登記簿上のAさんと同一人物ですから、登記を通してください」というお願い文のことです。

    このように、住民票の除票や戸籍の附票で、被相続人の登記簿上の住所地が発見できない場合は、相続登記手続が大変です。このような場合は、相続の専門家に依頼するのが相談するとよいでしょう。札幌市中央区の当事務所でも、相続登記のご依頼は随時受付中です。

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