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限定承認をした後の手続

限定承認をした後、何をすればいいの?


相続財産のうち、プラスの相続財産とマイナスの相続財産、どちらが大きいか分からないときに選択するのが限定承認です。札幌では選択される方はほとんどいないかもしれませんが、限定承認後の手続についてまとめました。


限定承認後の相続財産の管理

限定承認をした相続人は、その者の固有財産におけるのと同一の注意義務をもって相続財産の管理を行います(民法第926条)。

相続人が一人しかいないのなら、その者が債務の弁済等に必要な手続きをしていくことになりますが、相続人が複数いる場合には、家庭裁判所によって、限定承認の申述の受理と同時に、共同相続人のうちの一人を、相続財産管理人として選任する審判が下されます(民法第936条)。


清算手続

限定承認申述が受理された後、すみやかに相続財産の限度内で相続債権者や受遺者に対して債務の弁済をし、清算手続をしなければなりません。

手順としては以下の通りです。



1、請求申出の公告及び催告

限定承認者は、限定承認をした後5日以内(相続財産管理人については、その選任があった後10日以内)に、すべての相続債権者及び受遺者に対し、限定承認をしたこと、及び二か月をくだらない期間で、その請求の申出をすべき旨を官報により広告しなければなりません(民法第927条1項)。

また、知れている相続債権者及び受遺者に対しては、各別にその申出の催告をしなければなりません(民法第927条3項)。

この広告期間が満了する前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができます。というのは、広告期間が満了するまで、誰にどれくらい弁済しなければならないのか確定できないためです。



2、相続財産の換価処分

広告期間満了後、限定承認者又は相続財産管理人は、相続債権者や受遺者に弁済をするために、相続財産の換価処分をします。

換価処分の方法は、原則として競売手続きによります。

このとき、限定承認者は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い相続財産の全部又は一部の価額を弁済して、その競売を止めることができます(民法第932条)。

また、競売によらずに、相続債権者の同意を得たうえで任意売却の方法をとることもできますが、これにより、相続債権者等に損害を生じさせた場合には、損害賠償責任を負うことになる(民法934条)ので注意が必要です。



3、請求の申出をした相続債権者及び受遺者への弁済

相続財産の換価処分が終わると限定承認者又は相続財産管理人は、それぞれの債権額の割合に応じて弁済をします(民法第929条)。

また、広告期間中に請求申出をしなかった相続債権者や受遺者で、限定承認者又は相続財産管理人が覚知していなかった者からの請求があった場合には、残余財産から弁済をします。

そして、最終的に残った相続財産があれば、相続人に帰属することになります。


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