札幌相続相談所|札幌・札幌近郊での「遺産相続」に関するご相談に対応

法定相続人と法定相続分

相続の「基礎の基礎」を解説


札幌で相続の相談を受け付けている司法書士平成事務所です。
法定相続人と法定相続分は、相続に関するもっとも根本的な知識であり、絶対に知らなければいけません。これらの情報に関して、ここで詳しく解説します。


相続が始まるのはいつ?

民法によると、相続は、死亡によって開始します(民法第882条)。死亡以外の相続の開始原因はありません(戦前は隠居などの事由によって死亡以外の相続開始事由がありました)。

死亡といえば普通死亡を思い浮かべますが、ここでの「死亡」は普通死亡だけでなく、失踪宣告による死亡の擬制(民法第30条、31条)や、認定死亡も含まれます

認定死亡とは、災害や事故などが起こり、生死が不明のままの人を亡くなったものと推定し、官庁公署が市町村に死亡の報告をして、戸籍上、死亡扱いとするもの。いわば書面の上で死亡と扱ってしまって、財産の承継を可能にするのが認定死亡なのです。

相続が開始すると、被相続人の財産が相続人にわたることになります。では誰が、どのくらいの分量を相続できるのでしょうか。ここからが「法定相続人と法定相続分」の話です。


法定相続人は2種類に分かれる

民法は、相続人をまず2種類に分けています。配偶者相続人と血族相続人です。配偶者とは夫からみた妻、妻からみった夫ですが、血族相続人は以下の者です。

1.子
2.直系尊属(直系尊属とは、家系図を書いたときに縦の関係になり、世代が上の者)
3.兄弟姉妹

なお、配偶者以外の血族相続人は、相続開始時に生存する最優先順位の血族相続人が相続します。血族相続人には「順位」があって、第一順位がいれば第一順位が、第一順位がおらず第二順位がいれば第二順位が、第一順位及び第二順位がおらず第三順位がいれば第三順位の者が相続人になるのです。


配偶者

法律上の婚姻関係にある、戸籍上の配偶者は、常に相続人となります。
注意して欲しいのは、離婚した元配偶者は、相続人にはならないという点です。あくまで死亡時において法律上の婚姻関係にある戸籍上の配偶者が相続人なのです。

被相続人の死亡時に配偶者がいれば、配偶者は常に相続人になり、血族相続人がいない場合は配偶者が遺産のすべてを承継することになります。

なお、内縁の配偶者は相続人になれるのでしょうか。これについては「内縁配偶者は相続人にならない」をご覧ください。


第一順位:子及びその者の子(代襲相続)

被相続人の子であれば、実子・養子を問わず、第一順位の相続人となります。子であれば相続人になるのは「胎児(お母さんのお腹の中にいる赤ちゃん)」であっても同様で、出生前の胎児でも相続人となります

たとえば父親が亡くなった場合に、その配偶者たる妻と妻のお腹にいる赤ちゃんが法定相続人なのです。なお、残念なことに胎児が死体となって生まれたら、その胎児ははじめから相続人ではなかったことになります。

また、被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したときなどの場合は、その者の子(つまり被相続人の孫)が相続人となることがあり、これを「代襲相続」といいます。この「代襲相続」については、別のところで解説します。

ちなみに、配偶者と子がともに相続人になる場合は、相続分は配偶者が2分の1、子が2分の1となります(子が複数いる場合はその2分の1を頭数で割る)。

なお、非嫡出子が相続人になるかどうか、なるとしても相続分がどのくらいなのかについては、「非嫡出子は相続人になる? 法定相続分は?」で詳しく解説しています。

養子については「相続人確定時に見落としがちな『養子』とは」で詳しく解説しています。


第二順位:直系尊属

直系尊属は、第一順位の相続人が存在しない場合に相続人となります。

問題は、直系尊属が複数いる場合です。亡くなった方に父親・母親がいるだけでなく、祖父母がいる場合があります。この場合は、直系尊属の全員が相続人になるのでしょうか。

民法によると、直系尊属が複数いる場合には、親等の近い者だけが相続人となります。簡単に述べると、被相続人から距離の近い直系尊属だけが相続人になるということを意味します。上記の例であれば被相続人の両親が相続人になり、祖父母は相続人にならないのです。

配偶者と直系尊属がともに相続人になる場合は、それぞれの相続分は、配偶者3分の2、直系尊属3分の1となります(直系尊属が複数いる場合は3分の1を頭数で割る)。


第三順位:兄弟姉妹

兄弟姉妹は、第一順位、第二順位の相続人が存在しないときに相続人となります。

配偶者と兄弟姉妹がともに相続人になる場合のそれぞれの相続分は、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1となります。兄弟姉妹が複数いる場合は、4分の1を頭数で割るのが原則ですが、被相続人との関係で父母の一方のみを同じくする「半血の兄弟姉妹」は、父母の双方を同じくする「全血の兄弟姉妹」の半分しか相続することはできません。


配偶者がいない場合

被相続人に配偶者がいない場合に、子、直系尊属又は兄弟姉妹が複数いる場合には、各自の相続分は相等しいものとして、被相続人の遺産を承継します(民法第900条4号本文)。

なお、かつて民法の条文に存在した、嫡出でない子は嫡出子の2分の1であるとする箇所は、法改正により削除され、現行法では相続分は同じとなっています。


まとめ

法定相続人と法定相続分をまとめると、次の通りです。
  ケース1
子がいる
ケース2
子がいない
ケース3
子・直系尊属がいない
ケース4
子・直系尊属・兄弟姉妹がいない
2分の1      
直系尊属   3分の1    
兄弟姉妹     4分の1  
配偶者 2分の1 3分の2 4分の3 1(注)
上記「1」は、すべてを相続することを意味します。



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