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非嫡出子の相続分改正の推移について

相続における非嫡出子の立場


相続に関する規定で近年の大きな改正の一つが、嫡出でない子の相続分です。

従来、借出でない子の相続分は嫡出子の2分の1とされてきました。しかし、平成25年改正により、嫡出か否かによる法定相続分の差別がなくなったのです。

今回は、この改正に至る経緯、そして改正内容について詳しく解説します。札幌で相続手続のお手伝いをしていても、まれに非嫡出子が相続人のなかにいます。札幌の方のみならず、非嫡出子の相続について調べている方はどうぞ参考になさってください。


判例の推移

嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分の2分の1とする規定(以下では「本規定」とします)は、憲法14条1項の平等権を侵害するものとして裁判上争われてきました

まず最大決平成7年7月5日(民集49巻7号1789頁)では、本規定が憲法14条1項には違反しないという判断がなされました。

ここでは、相続についての規定は日本の伝統や社会情勢、国民感情などを総合考慮した上で立法府の合理的な裁量判断に委ねられること、本規定は遺言による相続分の指定がない場合の補充的な規定にすぎないことから、立法府に与えられた裁量権の範囲内であると判断されました。

また、日本が法律婚を重視しているという観点から、法律婚の下生まれた嫡出子を厚く保護し、かつ非嫡出子についても一定の保護を与えるというバランスをとった結果が本規定であるため、合理的な理由のない差別には当たらないとしました。

しかし、平成7年決定においては裁判官15名のうち賛成10名反対5名と裁判官内で意見が分かれており、その後の最高裁判例や下級審裁判例においても、全く争う余地なく合憲であるという判断はなされないまま裁判例が積み重なってきました。

そして平成25年9月4日の最高裁判所大法廷決定において、相続に関する規定には立法府に裁量があるという平成7年決定と同様の前提にたちつつ、本規定が憲法14条1項に違反するとの判断をしました。

最高裁は、家族の在り方についての国民意識の多様化、国際情勢の変化、国際人権規約や児童の権利条約の観点からの指摘などの近時の事情を総合考慮すると、「家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らか」としました。

その上で、法律婚主義の下であっても、両親が婚姻関係にはなかったという、子供には自ら選びようのない事情によってその子に不利益を及ぼすということは許されず、子を一個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているとこに鑑みれば、遅くとも本件の相続が開始した時点においては「立法府の立法裁量を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われている」としたのです。


平成25年決定以前の学説の対立

平成25年決定の出る前には、学説上本規定が合憲か違憲かについては争いがありました。

合憲とする根拠は、相続制度の基礎はあくまで嫡出子を含む法律婚の家族であること、法律婚の家族の生活や感情的利益への配慮の必要性から、こうした法律婚の家族についてより手厚い保護をすべきであるというものです。

そして違憲と主張する側からは、平成25年決定同様に、親が法律婚をしていないという、子に責任のない事情によって相続において不利益を与えることの不合理さ、家族ではなくあくまで子を一人の個人としてみた保護の必要性が説かれました。

また、法律婚主義であるとしながらも、本規定が法律婚を促進し、婚外関係を抑制するような効果がないことから、法律婚主義は本規定の正当化理由とはできないとも主張されていました。


平成25年改正

平成25年決定を受け、平成25年12月に民法の一部を改正する法律により、本規定は削除され、嫡出子と非嫡出子との間の法定相続分の差はなくなりました

そして、この新しい規定が適用されるのは平成25年決定の翌日である9月5日以降開始された相続とされました。平成25年決定により、遅くとも本規定は平成13年7月当時には違憲であったと判断されたので、これ以降平成25年9月4日までに開始した相続については、一定の例外を除いては違憲判断が遡及的に及ぶとされたのです。


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