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このような不動産の共有は、相続をきっかけとして生じることがあります。被相続人が死亡した後の遺産につき、相続人が複数いる場合(これを共同相続人といいます)は、遺産の分割をするまでの間、相続財産は共有となるのです。
つまり、共同相続人が3名いた場合、被相続人が生前所有していた建物はその3名で共有するということになるのです。
では、被相続人が生前に所有していた建物に共同相続人の1人が被相続人と同居し、被相続人の死後も同建物で生活していた場合、他の共同相続人から明渡請求をされたら、建物の明渡に応じなければならないのでしょうか。ここでは、この明渡請求に応じる義務の有無を解説しますが、札幌の方も札幌以外の方もどうぞ参考にしてください。
たとえば札幌のABC三名の共有で、土地建物の賃借人に明渡しを請求するのであれば、そのうちの2名の同意が必要になるのです。
共同相続の場合、相続分に応じて被相続人の権利義務を承継しますが(民法899条)、共同相続人のうちの1人であってもその分の権利は有していますから、被相続人が生前所有していた建物を使用することは不法な使用に当たりません。
しかし、他の共同相続人との関係では、建物使用にかかる権利は少数の権利ですので、他の共同相続人から建物の明渡請求をされたら応じなければならないと思えます。たとえば札幌のABがCを追い出すとき、ABで過半数の賛成があるため、Cは出て行けといわれたらそれに応じる必要があると思えるでしょう。
つまり少数の持分しか有しない共同相続人に対して、多数の持分権を有する他の共同相続人は、当然に明渡請求をすることができるわけではないのです。CにはCなりの事情があるのですから、ABは過半数だからといって当然にCを追い出せるわけではないのです。
このことから、被相続人が生前所有していた建物を共同相続人のうち誰が使うかについては、遺産分割手続を行った上で決定するべき事柄であるといえます。
なお、札幌・札幌近郊を中心として不動産の相続手続を数多くお手伝いしている立場から述べると、不動産は共有にするのではなく、なるべく単独所有にされた方がよいといえます。共有間でのトラブルが生じる可能性があるためです。
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前提:建物が共有の場合がある
さて、札幌で土地や建物などの不動産相続手続を数多くご依頼いただきますが、そのなかで、「不動産が共有」という場面があります。たとえば札幌市南区の土地と建物を、札幌市西区のA、札幌市東区のB及び札幌市豊平区のCの三名で所有しているような場面です。共有とは、一つの物を複数人で所有することとイメージしていただければ大丈夫です。このような不動産の共有は、相続をきっかけとして生じることがあります。被相続人が死亡した後の遺産につき、相続人が複数いる場合(これを共同相続人といいます)は、遺産の分割をするまでの間、相続財産は共有となるのです。
参考:民法898条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
つまり、共同相続人が3名いた場合、被相続人が生前所有していた建物はその3名で共有するということになるのです。
では、被相続人が生前に所有していた建物に共同相続人の1人が被相続人と同居し、被相続人の死後も同建物で生活していた場合、他の共同相続人から明渡請求をされたら、建物の明渡に応じなければならないのでしょうか。ここでは、この明渡請求に応じる義務の有無を解説しますが、札幌の方も札幌以外の方もどうぞ参考にしてください。
建物の明渡請求は過半数で行う?
一般に、共有の建物を適切な手続きを経て使用している者がいた場合(例えば、賃貸借契約を結んでいる場合がこれにあたります)、使用者に対する建物明渡請求は、共有物の「管理行為」に該当し、持分の過半数で明渡請求を行うか否かを決定します(ちなみに不法に使用している者に対する明渡請求は「保存行為」というものに該当し、共有者のうちの1人でも明渡請求をすることが可能です)。たとえば札幌のABC三名の共有で、土地建物の賃借人に明渡しを請求するのであれば、そのうちの2名の同意が必要になるのです。
参考:民法252条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
共同相続の場合、相続分に応じて被相続人の権利義務を承継しますが(民法899条)、共同相続人のうちの1人であってもその分の権利は有していますから、被相続人が生前所有していた建物を使用することは不法な使用に当たりません。
しかし、他の共同相続人との関係では、建物使用にかかる権利は少数の権利ですので、他の共同相続人から建物の明渡請求をされたら応じなければならないと思えます。たとえば札幌のABがCを追い出すとき、ABで過半数の賛成があるため、Cは出て行けといわれたらそれに応じる必要があると思えるでしょう。
裁判所の見解
他の共同相続人から建物の明渡請求をされたときの対応について、裁判所は以下のように判断しています。持分権を合計した価格が共有物の価格の過半数を超える「多数持分権者」だからといって、共有物を現に占有している少数持分権者に対して当然にその明渡しを請求できるわけではない。・・・明渡しを求めるならば、その明渡しを求める理由を主張し、立証しなければならない(最1判昭和41年5月19日)
つまり少数の持分しか有しない共同相続人に対して、多数の持分権を有する他の共同相続人は、当然に明渡請求をすることができるわけではないのです。CにはCなりの事情があるのですから、ABは過半数だからといって当然にCを追い出せるわけではないのです。
建物を誰が使うかは遺産分割において決定するべき
大切なことなので繰り返しますが、裁判所の上記判断は、少数持分権者であっても、共有している建物を使用する権利を有しているから多数持分権者は当然に建物の明渡し請求をすることができるわけではない、ということです。このことから、被相続人が生前所有していた建物を共同相続人のうち誰が使うかについては、遺産分割手続を行った上で決定するべき事柄であるといえます。
なお、札幌・札幌近郊を中心として不動産の相続手続を数多くお手伝いしている立場から述べると、不動産は共有にするのではなく、なるべく単独所有にされた方がよいといえます。共有間でのトラブルが生じる可能性があるためです。
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