札幌市中央区の札幌相続相談所は、相続税を専門とする税理士が運営しております。代表税理士は司法書士資格をも有し、相続税申告だけでなく相続登記や預貯金や株式等の相続手続きもあわせてご依頼いただけます。札幌で相続税にお困りの方は札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。
相続税の申告は相続人ごとに提出することもできるものの、紛争になっている案件でないならば、一通の申告書で複数の相続人分として提出することが一般的ですから、令和6年においては、ざっと「4,336件」の相続税申告が札幌国税局の管内であると理解して差し支えありません。
この4,336件のうち、税務調査の対象になるものもあれば、税務調査の対象にならないものもあります。
建前上は「どの案件も相続税の対象になりうる」ということになっていますが、実際のところは税務調査の対象になりやすい案件と税務調査の対象になりにくい案件というものが存在します。札幌で数多くの相続税申告を担当してきた税理士の目線では、税務調査の対象になりやすいのは次のような案件だと考えます。
遺産が高額である案件
過去の納税記録からして、相続税の申告書上の遺産規模が小さいと考えられる案件
会社経営などを手広く行っていた被相続人であり、財産評価上の論点が存在する案件
税理士が代理せずに相続人自らが申告している案件
ここでは、「税理士が代理せずに相続人自らが申告している案件」がなぜ税務調査の対象になりやすいと考えられるのかについて、札幌の相続税専門税理士が解説します。以下をご理解いただくと、相続税申告はやはり専門の税理士に相談した方がよい、とご納得いただけることでしょう。
調査官としては、やはり巨額の課税漏れを指摘したいところです。その漏れが巨額であればあるほど、追加で引き出せる納税額は大きく、国の税収も上がります。
一方で巨額の課税漏れにならずとも、少額の課税漏れでも指摘して修正申告を引き出せれば、やはり税務調査としては仕事をしたと言えます。たったの数千円から数万円の追加納税であっても、調査において指摘したことによって正しい納税額の納入があるのであれば、ある意味それは税務調査の「成功」を意味します。
税理士がいない相続税申告において税務調査の対象になりやすい理由として、「必ずといっていいほど申告漏れの財産がある」と言えるからです。
札幌相続相談所には数多くの相続税申告の相談が寄せられますが、なかには「自分で申告書を作成した」といってその申告書類を見て欲しい、という方がいらっしゃいます。短い相談時間のなかで相続人の自作の申告書をくまなくチェックすることはできませんが、ざっと見ただけで、「あれとあれが抜けている」と一瞬(本当に1分もかかりません)でわかるものです。相続税専門の税理士が分かるのであれば、経験のある税務署の調査官だって同じように分かります。
たとえばですが、「細かな財産」については、相続人が作成した申告書から漏れていることが多いといえます。自宅の家財一式、故人が使っていた高級な腕時計、被相続人の死後に入金された未収入金(たとえば介護保険料の還付金など細かなもの)が、申告書に記載されていないことが多くあるといえます。税務調査の際にこれらだけでも指摘できれば、いとも簡単に修正申告を引き出せて、税務調査としては「失敗」しないということになります。
また、相続人の認識では相続財産ではないものの、相続税の専門家や税務署目線では相続財産に該当する財産も、相続人の自作の申告書からは漏れている傾向があります。たとえば生命保険契約に関する権利(名義保険)や損害保険契約に関する権利(自宅の火災保険など)や名義預金などがこれにあたります。これらは相続人の認識では相続財産ではないことから何らの悪気もなく申告書に未計上であり、税務署の調査官からすればそれらの指摘から修正申告を引き出すことはやはり難しくありません。
生前贈与も、相続人の自作の申告書には記載されていないことが多いといえます。被相続人から相続人になされた生前贈与のうち一定のものについては相続税の申告書に反映しなければならないものの、相続人がそのことを知らなかったり、「どうせバレないであろう」とその存在を隠す相続人もいます。税務調査の調査官であれば、被相続人のみならず相続人の預金口座まで確認できますから、同一日に同一額が被相続人の口座から出金されて、相続人の口座に入金されているのであれば、生前贈与があったと簡単に見破ることができます。
このように、相続人自らが作成した相続税の申告書は、必ずといっていいほど漏れがあります。漏れがあるという推測が働いているのであれば、税務署としてはやはり税務調査に入りたいと思っても不思議ではありません。
これらの制度を適用して相続税額を減額するためには、一定の要件をクリアする必要があります。小規模宅地の特例であれば、相続する者が配偶者か同居親族かいわゆる「家なき子」にあたるか、などを検討する必要があります。また、配偶者の税額軽減であれば、遺産分割が適切に完了しているかが問題となりますし、障がい者控除の適用にあたっては、障がいの等級なども確認する必要があるのです。
これらの要件の判断は、場合によっては相続税専門の税理士であっても迷うことがあります。そのような判断ですから、税理士が代理せずに相続人自らが独力で作成した申告書であれば、要件の検討はあまいであろう、という推測が働くことは言うまではありません。
それらの特例の適用を否認できただけで、税務署としては追加で大きな納税額を獲得できるわけですから、やはり税理士が代理していない相続税申告は、税務調査の対象になりやすいことになります。
相続税の税務調査といえば、調査官が被相続人の生い立ちや生活歴などのヒアリングから始め、徐々に相続財産の評価や漏れなどについて、それとなく質問がなされます。
税務調査の調査官は当然にプロですから、ひとつたりとも無駄な質問はありません。無駄がないどころか、相手の答えを想定した上での質問が行われ、調査官が求めるように誘導されるということすらあると感じます。
もし当初申告を担当していた税理士が立ち会っていたら、調査官の質問に答える際に誘導にのらず、場合によってはその場でひとつひとつ調査官の疑問を解くような回答を行い、納税者の権利を擁護します。
税理士の立ち会いがなければ、その擁護者がいないわけですから、何らの反論ができずに、促された修正に粛々と応じるしか道がなくなる、ということだって珍しくないのです。
このように、税務調査で反論されない、ということから、やはり税務調査の対象としては、税理士が代理していない相続税申告というのは狙われやすいのです。
目次
税務調査の対象になりやすい相続税案件
相続税申告の案件数は年々増加傾向にあります。札幌国税局が令和7年12月に発表した「令和6年分相続税の申告事績の概要」によりますと、令和6年において札幌国税局が管轄するエリアで亡くなった人(被相続人)の数は76,669人です。そのうち、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は4,336人です。相続税の申告は相続人ごとに提出することもできるものの、紛争になっている案件でないならば、一通の申告書で複数の相続人分として提出することが一般的ですから、令和6年においては、ざっと「4,336件」の相続税申告が札幌国税局の管内であると理解して差し支えありません。
この4,336件のうち、税務調査の対象になるものもあれば、税務調査の対象にならないものもあります。
建前上は「どの案件も相続税の対象になりうる」ということになっていますが、実際のところは税務調査の対象になりやすい案件と税務調査の対象になりにくい案件というものが存在します。札幌で数多くの相続税申告を担当してきた税理士の目線では、税務調査の対象になりやすいのは次のような案件だと考えます。
ここでは、「税理士が代理せずに相続人自らが申告している案件」がなぜ税務調査の対象になりやすいと考えられるのかについて、札幌の相続税専門税理士が解説します。以下をご理解いただくと、相続税申告はやはり専門の税理士に相談した方がよい、とご納得いただけることでしょう。
「必ず」と言っていいほど漏れがある
税務調査の調査官としては、相続税の調査において指摘事項が何もない、というのは避けたいところです。指摘がないということは、調査官としては仕事上の評価にならないのですから、ある意味においてそれは当然のことです。調査官としては、やはり巨額の課税漏れを指摘したいところです。その漏れが巨額であればあるほど、追加で引き出せる納税額は大きく、国の税収も上がります。
一方で巨額の課税漏れにならずとも、少額の課税漏れでも指摘して修正申告を引き出せれば、やはり税務調査としては仕事をしたと言えます。たったの数千円から数万円の追加納税であっても、調査において指摘したことによって正しい納税額の納入があるのであれば、ある意味それは税務調査の「成功」を意味します。
税理士がいない相続税申告において税務調査の対象になりやすい理由として、「必ずといっていいほど申告漏れの財産がある」と言えるからです。
札幌相続相談所には数多くの相続税申告の相談が寄せられますが、なかには「自分で申告書を作成した」といってその申告書類を見て欲しい、という方がいらっしゃいます。短い相談時間のなかで相続人の自作の申告書をくまなくチェックすることはできませんが、ざっと見ただけで、「あれとあれが抜けている」と一瞬(本当に1分もかかりません)でわかるものです。相続税専門の税理士が分かるのであれば、経験のある税務署の調査官だって同じように分かります。
たとえばですが、「細かな財産」については、相続人が作成した申告書から漏れていることが多いといえます。自宅の家財一式、故人が使っていた高級な腕時計、被相続人の死後に入金された未収入金(たとえば介護保険料の還付金など細かなもの)が、申告書に記載されていないことが多くあるといえます。税務調査の際にこれらだけでも指摘できれば、いとも簡単に修正申告を引き出せて、税務調査としては「失敗」しないということになります。
また、相続人の認識では相続財産ではないものの、相続税の専門家や税務署目線では相続財産に該当する財産も、相続人の自作の申告書からは漏れている傾向があります。たとえば生命保険契約に関する権利(名義保険)や損害保険契約に関する権利(自宅の火災保険など)や名義預金などがこれにあたります。これらは相続人の認識では相続財産ではないことから何らの悪気もなく申告書に未計上であり、税務署の調査官からすればそれらの指摘から修正申告を引き出すことはやはり難しくありません。
生前贈与も、相続人の自作の申告書には記載されていないことが多いといえます。被相続人から相続人になされた生前贈与のうち一定のものについては相続税の申告書に反映しなければならないものの、相続人がそのことを知らなかったり、「どうせバレないであろう」とその存在を隠す相続人もいます。税務調査の調査官であれば、被相続人のみならず相続人の預金口座まで確認できますから、同一日に同一額が被相続人の口座から出金されて、相続人の口座に入金されているのであれば、生前贈与があったと簡単に見破ることができます。
このように、相続人自らが作成した相続税の申告書は、必ずといっていいほど漏れがあります。漏れがあるという推測が働いているのであれば、税務署としてはやはり税務調査に入りたいと思っても不思議ではありません。
特例等の適用要件の検討があまい
相続税申告においては、特例や各種控除によって納税額を大きく引き下げることができます。代表的な制度としては、小規模宅地の特例、配偶者の税額軽減(一般には「配偶者控除」と呼ばれることもありますが、正しくは「配偶者の税額軽減」)、障がい者控除などがあります。これらの制度を適用して相続税額を減額するためには、一定の要件をクリアする必要があります。小規模宅地の特例であれば、相続する者が配偶者か同居親族かいわゆる「家なき子」にあたるか、などを検討する必要があります。また、配偶者の税額軽減であれば、遺産分割が適切に完了しているかが問題となりますし、障がい者控除の適用にあたっては、障がいの等級なども確認する必要があるのです。
これらの要件の判断は、場合によっては相続税専門の税理士であっても迷うことがあります。そのような判断ですから、税理士が代理せずに相続人自らが独力で作成した申告書であれば、要件の検討はあまいであろう、という推測が働くことは言うまではありません。
それらの特例の適用を否認できただけで、税務署としては追加で大きな納税額を獲得できるわけですから、やはり税理士が代理していない相続税申告は、税務調査の対象になりやすいことになります。
税務調査で反論できない
税務調査があった際に、当初の相続税申告を税理士が代理して行っていたら、その税理士が税務調査に立ち会います。相続税の税務調査といえば、調査官が被相続人の生い立ちや生活歴などのヒアリングから始め、徐々に相続財産の評価や漏れなどについて、それとなく質問がなされます。
税務調査の調査官は当然にプロですから、ひとつたりとも無駄な質問はありません。無駄がないどころか、相手の答えを想定した上での質問が行われ、調査官が求めるように誘導されるということすらあると感じます。
もし当初申告を担当していた税理士が立ち会っていたら、調査官の質問に答える際に誘導にのらず、場合によってはその場でひとつひとつ調査官の疑問を解くような回答を行い、納税者の権利を擁護します。
税理士の立ち会いがなければ、その擁護者がいないわけですから、何らの反論ができずに、促された修正に粛々と応じるしか道がなくなる、ということだって珍しくないのです。
このように、税務調査で反論されない、ということから、やはり税務調査の対象としては、税理士が代理していない相続税申告というのは狙われやすいのです。


















